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農家の意見も聞いてくれ!規格外野菜ビジネスに抵抗がある理由4つ

農業について
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規格外野菜を利用するビジネスは今も多いですが、農家の僕としては、規格外野菜ビジネスは基本的に反対です!

何度か規格外野菜についての記事を書きましたが、やはりあまり理解が進んでいないと感じるので、農家の立場としての意見を付け加えて説明させていただきます。

少しでも消費者の方に、規格外野菜の現実を知ってもらいたい!

ということで今回は、

「農家の意見も聞いてくれ!規格外野菜ビジネスに抵抗がある理由4つ

を農家の僕ナス男が教えます。

①タダ、もしくは買い叩かれるのは嫌すぎる

一つ目は、規格外だからと言って、タダや買い叩くような価格で仕入れようとする人は嫌いという農家は多いです。

「捨てる野菜でいいからちょうだい!」

「クズでいいからゆずってください!」

僕の畑やハウスにもこう言ってくる人は来ます。

市場やスーパーより格安で野菜を手に入れたい、得したいという考えでしょう。

確かに、規格外野菜はどの作物でも一定数出ます。

しかし農家としては、規格外野菜を作りたくて作っているわけではないです。

正規品と同じように手間暇をかけています。

「処分セール」のイラスト文字

タダ同然の価格ではあげたくない!と思うのはダメなことですか?

ビジネスはwinwinの関係でなくては成り立ちません。

いきなり規格外野菜の取引を持ちかけられると、リスクを負わずに自分だけが得しようとしているように見えるので、どうしても拒否反応が起きてしまうのです。

②農家と消費者の「規格外」の認識に大きなずれがある

2つ目の理由としては、農家と消費者の「規格外」の認識に大きなずれがあるということです。

セールで商品を奪い合う女性のイラスト

「ちょっとくらい色や形が悪くても食べられるじゃん!」

「畑に還すにしてももったいない!」

と思われる消費者の方もいるかもしれませんが……

消費者はスーパーに並ぶようなきれいな野菜以外は全部規格外になるから捨てていると思ってませんか?

秀品やA品という色形ともに高品質な野菜でなくても、ちょっとの傷や変形はB品という形で加工業務用に出荷できます。

食品工場の従業員のイラスト

例えばナス。

枝に挟まって凹んだり傷がついたナスはスーパーに並ばないですが、B品として出荷はできます。(程度に依りますが)

種まで見えてしまっている奇形果は、当然規格外です。

カナブンやナメクジなど、虫に食われてしまっているモノも、当然規格外です。

規格外になるような野菜は、輸送に耐えられなかったり、品質が落ちているものです。

本当にダメな野菜以外は現状でも出荷できていますし、規格外になってしまう野菜にはそれなりの理由があるんです。

③実は、規格外野菜は美味しくない

3つ目は、実は規格外野菜は美味しくないものもあるからです。

しかし、色が白っぽかったりつやがないナスはボケナスと言って、過熟が進んでいる状態なので、味は間違いなく落ちます。

曲がりすぎているナスは、正規品と比べると皮が固いので、食べられなくはないけど食味は落ちます。

(画像がなくてすいません…)

もちろんおいしく食べられる規格外もあります。

  • ハサミで刺して生傷をつけてしまったナス(輸送に耐えられないから)
  • 段ボールに入りきらずに、余ってしまったB品

これらは正規品と変わらない味でしょうから、パートさんにあげたり自分の家で消費します。

規格外が正規品より美味しいという例はあまりありません。

トマトやイチゴや果物などは樹上で完熟させるのが美味しいとされてますが、完熟では消費者に届くまでに品質は落ちますので、完熟させすぎも規格外になる団体が多いですね。

消費者の方が美味しい野菜を求めるなら、正規品を買った方がいいです。

④農家はボランティアではない

4つ目は、農家は無償のボランティアではないということです。

こういう規格外の説明をしても、

「もったいないだろ!ダメなところを切れば食べられるだろ!」

「自給率が低いのに、なんで野菜を捨ててるんだ!」

「慈善団体や困窮夜偵にに寄付しろ!」

「農家は営利目的でやるな!」

という意見はおそらくあるでしょう。

しかし、そういう意見に声を大にして言いたいのは、

農家はボランティアじゃない!

クレーマーのイラスト(女性)

そこまで手を加えてしまうと、人件費などで価格は高くなり正規品を買った方がお得、もしくは採算が合わないということになります。

経済的に持続可能でなければ、農家は潰れます。

農業に限らず医療や小売などの全ての業態で、正当なお金をもらわないと事業が成り立ちません。

慈善団体や困窮過程に寄付するにしても、それをするために農家に寄付金を出してほしいくらいです。

規格外野菜を利用するビジネスは昔からあり、たくさんの人が手を出しては失敗しています。

その現実から、規格外ビジネスが受け入れられない要因を学ぶべきです。

個人で加工販売している農家は別として、現場の多くの農家は規格外野菜までもったいないから売りたいとは思っていません。

まとめ

今回は、

「農家の意見も聞いてくれ!規格外野菜ビジネスに抵抗がある理由4つ」

というテーマで書きました。

記事の内容「規格外野菜ビジネスに抵抗がある理由」

①タダ、もしくは買い叩かれるのは嫌すぎる

②農家と消費者の「規格外」の認識に大きなずれがある

③実は、規格外野菜は美味しくない

④農家はボランティアではない

意外と知らない事実があったのではないでしょうか?

一つでも参考になったと思ってもらえたら嬉しいです。

また、規格外野菜に関しての別の記事を前提にして今回の記事を書いているので、そちらもぜひ見ていただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。