脱サラして農業をやりたいんだけど、何から始めたらいいの?
新規就農で農家を目指すには、どんなステップがあるの?
脱サラして新規就農に興味を持った方や本格的に農家になろうと覚悟を決めた方は、初めにこういう疑問を持つのではないでしょうか。
ということで今回は、
「脱サラして農家になる方法!新規就農までの4つのステップを紹介します!」
というテーマで、農家の僕ナス男が解説します。
農業に興味がある方、新規就農を目指す方はぜひ読んでください!
新規就農までのステップは大きく4つあります。
早速紹介します。
①就農窓口に相談する
最初のステップとしては、就農窓口に相談することです。
どこに相談するかというと……
- JA
- 市町村の農政課
- 農業改良普及課
です。
就農窓口に相談する時点で、何を栽培してどのくらいの売上を目指すかを答えられるようにしておきましょう。
- 研修先の紹介
- 融資や補助金などの相談
- 本格的なこれからのスケジュール
ある程度の具体的な内容が頭の中に描けていれば、これらの話が進むのが早いからです。
詳しくはこちらの記事で。
②同じ地域の先進農家で研修する
2つ目のステップは、同じ地域の先進農家で研修することです。
新規就農で農家になるためには、一番と言っていいほど重要なのが研修です。
作物栽培の研修は、どの農家でもいいわけではありません。
重要なのは、その地域の「同じ地域の先進農家さんの所で研修」することです!
詳しくはこちらの記事で。
農業においては、栽培技術は目に見えない資産です。
増えることはあっても減ることはないので、ある意味お金よりも大事な資産です。
利益を上げ続ける農家を目指すために、しっかりと研修中に栽培技術を学んでおきましょう!
③融資や補助金の相談
3つ目のステップは、融資や補助金の相談です。
資本金がたくさんあるならば問題ないですが、多くの方は融資を受けて始めるでしょう。
僕もナスのハウスを建てた時はJAバンクから融資を受けました。
融資を受ける方は、認定新規就農者になっておくのがいいでしょう。
認定新規就農者の最大のメリットは2つ!
- 無利子での融資が受けられること
- 就農時の補助金の対象になること
です。
そのためには青年等就農計画という、就農から5年先までの営農計画を立てる必要がありますが……
具体的な就農計画は、農業経営をしていくためには絶対必要!
青年等就農計画制度について:農林水産省 (maff.go.jp)
研修期間中に融資の相談をして、就農計画などもまとめておきましょう。
- 具体的にいくらの融資を受けるのか
- 5年先の売上目標はいくらか
- それを達成するためにどう売上を増やしていくか
農地を借りる時の農業委員会の面接でも活きてくるので、しっかり準備しておきましょう!
融資や補助金の相談は、まずは①で紹介した就農窓口で就農計画とともに相談に乗ってくれます。
具体的な就農までのスケジュールが決まったら、研修開始と同時くらいに話を進めていきたいですね。
④農地を借りる
最後のステップは、農地を借りることです。
新規就農で畑を借りる場合は、農業委員会の面接を受ける必要があります。
面接と聞くと難しくて怖いイメージがありますが、研修を受けて覚悟や具体的な計画が決まっている方ならばすんなり話が進むはずです。
農地を借りることができれば、晴れて新規就農で農家になることができます。
研修中に農地が借りられる目処を立てておく必要がありますが、いい農地を借りるコツは……
やっぱり研修を頑張ることです!
なぜなら、馴染みのない土地でいきなりなんの伝手もなく農地を借りることはほぼ不可能だから。
地主さんもどこの馬の骨とも知れないヤツに、農地を貸したいとは思いませんからね。
地域に溶け込んで真剣に農業をして信用を得て、自分を売り込んでおきましょう。
ちなみに、農地を買うというのもできないことではないですが、おすすめはしません。
新規就農者が本当にいい農地を目利きして買うことは難しいですし、なるべく初期投資は少なく抑えたいはずなので現実的ではありません。
将来的なリスクを考えれば、農地という固定資産を持つよりも、まずは借りて増やすべきです。
多くの農家は、農地を借りることをメインにして面積拡大をしています。
*注意!新規就農までには2、3年の時間がかかる
以上が脱サラから新規就農までの大きな4ステップです。
「だいたい流れは分かったよ!じゃあここまでにどのくらい時間がかかるの?」
そう、問題なのは農家になれるまでの時間です。
そして、この4ステップをクリアするのには……
最低でも2、3年以上かかると思って腹を括ってください!
「マジか!?農家になるのにそんなに時間かかるの!?」
「一年でもできるでしょ!オレは一日でも早く農家になりたいんだ!」
という悲鳴が聞こえてきそうですし、気持ちもすごく良く分かります。
実際は紹介したステップを飛ばして、いきなり④の農地を借りるのは一年でも借りることもできないことはないでしょう。
しかし、僕が就農までに時間をかけた方がいいと思う理由は2つあります。
1,農家になる覚悟を決める研修期間
新規就農までに時間をかけた方がいい理由の1つ目は、やはり研修期間が重要だからです。
研修期間は栽培技術を身に着けると同時に、農家になる覚悟を自問自答する期間でもあります。
独立して新規就農してからでは簡単にはやめられません。
自分のお金と時間を投資していますから、もったいなく感じて後戻りしにくくなっちゃうんですよね。
就農前に農業が肌に合わないと気づけば、失う資金はほぼ0で辞めることができます。
農家になって後悔しないためには、焦って農地を借りるのではなく、時間をかけて研修をすべきでしょう。
2,農業に身を置くことで営農情報を得られる
新規就農までに時間をかけた方がいい理由の2つ目は、農業に身を置くことでいろいろな営農情報を得られることです。
- 作物の将来性
- 他産地の動向
- 栽培の肝、農業経営全般など
時間をかけて研修をするうちに、これらの営農情報が耳に入ってきます。
作物作型を決めて研修をしている途中でも、
「○○で就農しようと思っていたけど、やっぱりこちらの作物の方がいいかも!」
という方向転換も可能です。
これらは数年間営農情報を追い続けることで気づけることであって、数か月~1年ではなかなか気づくことはできません。
納得できる就農をするためには、やはり2,3年の期間はあった方がいいでしょう。
まとめ
今回は、
「脱サラして農家になるにはどうしたらいいの?新規就農までのステップを紹介します!」
というテーマで書きました。
利益を上げ続ける農家を目指すためには、やはりある程度の時間をかけて4つのステップを着実に踏む必要があります。
そして、新規就農がゴールではなくむしろスタートです。
僕もナス栽培を始めて4年目、まだまだひよっこです!
農業は一生勉強!
一緒に学んで努力していきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。