結論は、「比較できない、みんな違ってみんないい!」
どうもナス男です。
ブラック企業を一年で辞めたのち、今は愛知県でナス農家をしています。
今回は、
「有機農法と慣行農法、どっちがいいの!?」
というテーマで書いていきます。
有機栽培と慣行農法。
長年議論の対象になる二つの栽培方法。
新規就農の方や農業に興味のある方は、知っておいて損はないと思います。
有機農法と慣行農法
有機農法と慣行農法、まずはそれぞれの言葉の意味を理解しましょう。
有機栽培とは…
科学農薬、化学肥料を使わない栽培のことを指します。
(自然由来の農薬、肥料は使用していい。)
農産物や加工食品に「有機」や「オーガニック」と表示して出荷、販売したいと思ったら、「有機JAS認証事業者」にならなければなりません。
慣行農法とは…
昔から慣行的に行われている農業のこと。
つまり、農薬や化学肥料を使った農業のことを指します。
よくTwitterとかでも、お互いの農法を批判して、
いがみ合っているツイートもよく見かけます。
「化学肥料や農薬を使っている時点でダメ!慣行農法反対!」
とか、
「有機栽培の農家は、宗教的だ!自己満足なだけだ!」
みたいな感じ…
それに対して僕の見解を書いていきたいと思います。
これだけ聞くと、
「おいおい、じゃあ有機栽培の方がいいじゃん!」
「環境に良さそうだし、高級品だし!みんな有機で栽培しないとダメだ!」
と思われるかもしれません。
ちょっと待ってください。
その考えは少し考えが浅いかなと思います。
もう少し話を進めます。
流通している野菜の9割以上は慣行農法!
有機農法の説明でも書きましたが、有機栽培と謳って野菜を販売したければ、
農林水産省が認定する「有機JAS認証事業者」を取らないといけません。
うそや誇張、紛らわしい表現を避けて、
消費者に分かりやすい商品表示にするためです。
つまり有機栽培のJASマークがない商品は、
少なからず農薬を使用して作られています!
つまり、スーパーやお店で売られている野菜の9割以上は
農薬を使用しているということ!
今日本で栽培されて流通している野菜のほとんどは、慣行農法で作られた野菜です。
日本の食と胃袋を支えているのは、間違いなく慣行農法なんです。
これは紛れもない事実なんです。
有機栽培は確かに素晴らしいです。
ただし、有機栽培は病気や害虫にやられることが多いというリスクがあります。
有機栽培の農家さんの数も、有機栽培の野菜の量も、圧倒的に少ないのが現状です。
なので今の農業人口で、日本中の野菜を有機栽培だけでカバーすることは不可能に近いです。
「マジかよ!じゃあ慣行農法の方が貢献してるじゃん!」
と意見が変わる方もいらっしゃると思いますが、
もう少し待ってください!
そもそも比較できない!
慣行農法が日本の食卓を支えているのは事実だけど、
かといって、有機野菜を選んで買うお客さんも存在します。
- オーガニックレストランとか、
- 生産者が分かる野菜を買うお客さんとか、
- 農薬という言葉が大嫌いなお客さんとか、
それは慣行農法にはカバーできない顧客層で、
その人たちの需要に答えることで、有機栽培は成り立つのです。
有機栽培も慣行農法もそれぞれのお客さんの満足に応えていて、
それぞれビジネスとして成立しています。
お互いが補いあって、多様なお客さんの野菜の需要に応えている関係!
そう考えたら素晴らしいことじゃないですか!?
それに、そもそも出発点のターゲットになるお客さんが違っているので、
栽培戦略や作物も何から何まで違ってきます。
だから比較ができないんです。
「どちらが偉い、どちらが間違ってる!」
とか、そんな問題ではないということ。
僕の中では全く別の職業という感覚です!
共通点は、「農業で生計を立てている」ということだけというイメージ。
同じ自然でも
「山と海、どっちがいいか?」
って質問されたら、答えは出ないですよね?
まとめ:みんな違って、みんないい
いかがでしたか?
有機栽培と慣行農法はよく対立した関係で比較されることが多いですが、
違うことが多すぎて単純比較ができない、が僕の意見です。
むしろお互い尊重しあって、共存できる関係だと思っています。
それぞれの農業を仮想の敵としてレッテルを貼って、攻撃している方がSNSなどで見かけますが、
はっきりいって理解不能です!
批判するなら完璧な論理的説明を示してくれないと。
ギャーギャー騒ぐだけなら特定野党と一緒ですよー。
それぞれの農業が盛り上がって、農業全体が活気づいていくように。
まずは自分の農業でちゃんと利益を出し続けないとなあ…
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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