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農業機械設備の購入を考える。買うべき?借りてもいい?

農業について
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機械設備の購入は、農業に必要不可欠です。

ただ農家の間でも、農機や施設の購入に関する考え方は人それぞれで、

「買って揃えるべき!」

「借りられるのであれば、借りてもいいのでは?」

「仲間で共同購入して、シェアしよう!」

など、色々な意見があります。

ということで今回は、

「農業機械設備の購入を考える。買うべき?借りてもいい?」

というテーマで、農家の私ナス男が紹介します。

これから農業を始める方や農業に興味のある方はぜひ読んでください!

農機は買うべき!という意見

「全部自分で農機は揃えるべきだ!」

という意見の農家はとても多いです。

その理由を紹介します。

その作物には絶対に欠かせない農機は自分で買うべき!

その作物には絶対にないと困るような農機は、自分で買うべき!」

これは、僕も同意で、それ以外ないです!

例えば、露地野菜で言う所のトラクター、消毒の動噴。

頻繁に使いますし、いちいち借りるのも面倒です。

就農当初はお金がなくても買えないこともあるかもしれませんが、いつまでも借りっぱなしでは信用を失うでしょう。

たとえ最初から変えなくても、買う意思だけは示していた方がいいですね。

設定を変えられるのが嫌!

自分が設定やメンテナンスをした農機をいじられるのが嫌!

という意見をいただきました。なるほど確かに!分かります!

農機は自分の栽培に合ったように、時には数センチ単位でアタッチメントの位置をいじることもあります。

自分の時間を割いて設定やメンテナンスをした重要な農機を、他人に貸したくないと思うのは当然だなと思いました。

使う時期が被る農機を貸すのは嫌!

「自分が使う時期に貸してと来られても貸せないよ!」

これもその通りですよね。

その時期がずれると作物に悪影響が出るのであれば、もう自分で買って揃えるべきでしょう。

病原菌を持ち込まれる可能性があるから嫌!

返してもらった農機から、土を介して病原菌が持ち込まれそうで嫌だ!

という意見もあります。

農業をしていない方には分からないかもしれませんが、土を他の畑から持ち込むことによって病原菌も移動してしまう可能性があるのです。

農機を貸した結果、病原菌付きで返ってきたら……マイナスにしかならず、貸したくないというのも当然の意見です。

農機が借りられるならば借りるのもアリ、という意見

次は、借りられるなら借りてもいいという意見の紹介です。

ぶっちゃけ、基本的には全ての農機を自分で揃えられたら理想です。

誰にも迷惑をかけませんし、自分の好きな時に使えるのですから。

ただやはり自分で全てを揃えるのは難しかったり、お互いが納得した上での機械の貸し借りが出来ていれば、プラスになることも多いのは事実。

どういう場合なら借りるのも致し方ないのか、その意見を紹介します。

就農当初のお金がない場合

就農当初は資金が少ない方がほとんどです。

いずれは自分で農機を買って揃えるべきかもしれませんが、就農者にとってはいきなり必要な全ての農機を買うのは難しいというのが本音でしょう。

もしご厚意に農機を貸してもらえる方がいるのであれば、頭を下げて借りてもいいと思います。

いずれは自分で農機を買って揃える意志は、見せる必要がありますね。

倉庫が狭い場合

倉庫が狭くて、農機が入りきらないケースもあると思います。

うちがまさにそうです。

僕は倉庫の狭さが要因で、露地野菜の拡大を諦めて施設栽培に転作したので。

そのケースは、農機のレンタルや仲間との共同購入を検討するしかないのかなと思います。

頻繁に使わない農機の場合

必ずしも育てたい作物の必須アイテムではない農機ならば、貸してもらえる方がいたら借りたいという気持ちは正直あります。

今年僕は、2トンダンプとサブソイラーを近所の農家から貸してもらいました。

2つとも施設栽培のナスでは滅多に使わないものなので、貸してもらえて本当に助かりました。

近くに使えそうなハウスが空いている場合

自分の通える範囲内で、作物が育てられそうなハウスが空いているのであれば、借りた方がいいでしょう。

今や新築のハウスはどんどん値上がりしていて、農業を長く続けている方でもなかなか手が出せないくらい高いです。

借りられる古いハウスにはデメリットもあります。

  • 使い勝手に多少の不便はあるかもしれませんし、
  • 作物によっては終了も落ちるかもしれませんし、
  • 台風などの災害に弱いかもしれませんし、
  • ハウスの修繕も必要かもしれませんが、

これらのデメリットをはるかに上回るメリットは、全てを新しくしてハウスを建てるよりはだいぶ経費は抑えられること。

新築ハウスは借金して建てるでしょうから、その借金の重圧はだいぶ減ります。

数人の仲間で共同購入できる場合

自分一人で農機を購入しなくても、農家の仲間と共同で一つの農機を購入する、という方法もあります。

うちも田植え機や大根おろし機を、2件で共同で購入して使っていました。
今はどちらも作っていないので、処分してしまいましたが。

お金を出し合うことで農機の購入費用を抑えることができ、農業経営の負担を軽くすることができます

ただその使う時期が被っていたりすることも多く、順番待ちが発生します。

そうなると栽培が遅れたりして、売上に影響することもあるでしょう。

仲間への気遣いがストレスにもなるので、それであれば自分で買っちゃえという意見も当然あります。

借りる時の注意事項

農業機械設備を借りる時に必ず守るべき注意点があります。

僕は農機は借りられる場合は借りてもいい派ですが、以下の注意点が守られなければ、貸し借りは出来ないでしょう。

①誠意を持った対応、お礼をする

「借りられて当然」というような態度では、次回は貸してくれないでしょう。

またレンタル代として、相応の対価を払うのが礼儀です。

  1. お金を払う
  2. お茶やビールなどを差し入れる
  3. 払えない時は自分が労働して返す

など、次回も貸してもらえるような対応を心がける必要があります。

②設定やメンテナンスをして、原状回復して返却する

借りた農機は、原状回復して返すのが基本です。

相手の設定メンテナンスの時間を奪ってはいけないです。

③きれいに洗って、燃油満タンにして返却する

当たり前のことですが、きれいに洗って燃油満タン返しをしましょう。

病原菌対策や、燃油代も借りる側が負担することです。

どれも当たり前のことなんですけど、僕も恥ずかしながらできていなくて、注意されて気づいたことです。
僕に農機を貸してくれた農家さん、すいませんでした。そして、毎年ありがとうございます。
みなさんのおかげで、今も農業を続けられています。

ナス男の主な農機購入歴、レンタル歴

ここで少し話を変えて、僕の主な農業機械設備を紹介します。

僕の場合、祖父母が小さいながら農業をしていたので、最低限の農地と機械は揃ってはいました。

ただ古くてガタが来ているモノや、規模拡大するにつれて必要になったものは徐々に買い足してきました。

そこから、露地野菜→施設ナスに作物転換をして現在に至るまで、思い入れのある農機や設備などを紹介します。

トラクター

トラクターは1000時間を超えていますが、じいさんばあさんの時代から未だに現役です。

画像

ただ露地野菜から施設栽培に切り替えた今、トラクターの稼働日数は年間でも4,5日。

もしトラクターが壊れてしまうことがあっても、新たに買いなおすことはないと思います。

近所には離農した元農家の方も多いので、お金を払って借りるかなあ、と思っていたりします。

動噴

丸山の動噴が、私自身が初めて買った農機です。

既存の動噴が古かったのと、伸ばしたホースをリモコンで自動で巻き取れるのに惹かれて購入を決意!

動噴ってどの作物でも使えるし、汎用性があるので、施設ナス栽培に作物転換した今でも活躍しています。

管理機

キャベツの中耕に使う管理機も、新しく買いなおしました。

乗用管理機の方が3列できるし楽だし今後のことも考えるといいかなとも思いましたが……

ナス栽培にきっぱり作物転換した今では、高い乗用管理機を買わなくてよかったなあと感じます。

ナスのハウス

私の10年余りの農業人生の中で、一番高かった機械設備、それが今のナスのハウスです。

当然まずは空いているハウスを借りることから考えましたが、

  • 近くに促成ナス栽培に使えそうなハウスが空いていなかった
  • 1反以上の面積の促成ナスに使えそうな条件のハウスは空いてなかった
  • 台風に耐えられるハウスは空いていなかった
  • 借りたハウスの修繕や地代もタダではなく、お金がかかる

などの理由から、人生を懸けた買い物を決意!

万が一のための生命保険も掛け増しした時、

「自分の命より大事なハウスだ…!」

とプレッシャーを感じ、シーズン中ずっと胃が痛かったのも思い出です。

まとめ

今回は、

「農業機械設備の購入を考える。買うべき?借りるのもアリ?」

というテーマで書きました。

記事の内容

①農機は買うべき!という意見

②借りられるならば借りてもいいという意見

③農機を借りる時の注意事項

④ナス男の農機設備歴

農機や設備の投資などについて、より広く書いた記事もありますので、ぜひこちらも読んで見てください!

農業機械設備の投資も、きっと万人に当てはまる正解はなく、自分の状況に合った投資が必要です。

この記事だけでなく、他の方の意見も参考にして見てください!

少しでもこの記事が参考になれば嬉しいです!

最後まで読んでいただきありがとうございました。