「たくさん野菜を売りたいし、出荷した分は売り切りたい!」
「すぐに売上と結果が欲しい!」
農業で生計を立てるのであれば、当然そう考えるでしょう。
新規で農業を始められる方や農業に興味がある方は特に知りたいのではないでしょうか。
野菜を簡単に売切れさせるマーケティング、PR方法!
結論から言うと…
そんなものはない!
短期的に、簡単に野菜を売切れさせる方法はありません。
その理由を、ナス栽培で生計を立てている私ナス男が解説します!
ライバル農家や産地は多数!野菜はありふれている。
「特別な栽培をしていたら、高く売れるだろ!?」
「いろいろ工夫して…他の人と差別化していたら取引先が増えるだろ!」
新規に農業を始められる方や農業になじみのない方はそう思われるかもしれません。
しかし消費者の立場から見ると、似たような生産者、似たような野菜はありふれているんですね。
スーパーや産直は車で買い物に行ける範囲にたくさんあり、たくさんの生産者が出荷しています。
今はECでも野菜は買えますし、同じような野菜栽培をしている農家さんはたくさんいます!
他の生産者、産地も多数の現在の状況…
多少特別な栽培をしたからと言って、ありふれている野菜を大ヒットさせるのはとても難しいです!
というか、不可能に近いです。
「じゃあ物珍しい作物を作って売ればいいじゃないか!」
と思われるかもしれませんが、それも簡単ではないんですね。
珍しい作物はまず栽培方法が分からない&手探りなので、
ちゃんと収穫までもっていくのが大変です。
そして物珍しい野菜を収穫できたとしても、消費者にとっては馴染みのない知らない野菜です。
知らない野菜を決められた予算内で買うことは抵抗がありますし、それなら似ているよく知られた料理に使いやすい野菜に手が伸びます。
簡単に野菜を売切れさせる方法は誰もが知りたいんですが、それは農業では難しいことなんですね。
絶対やめよう!誇張や詐称!
「野菜を売り切るのが難しいのであれば、詐称してPRしちゃえ!」
「手っ取り早く名前を売りたいから、ちょっと誇張して農産物を売っちゃえ!」
「ビジネスの世界では、盛ったもん勝ち!目立つように書いちゃえ!」
という感じで、悪魔のささやきに流されて、誇張や詐称をする農家さんが残念ながらごくごく少数います。
誇張や詐称、絶対やめた方がいいです!!!
*(確かな実績や数字があったり、第三者の市場やバイヤーが本当にそう言っているのであれば問題ないです。)
ありふれた野菜の中では、誇張PRは人目を惹きますし、一時的にはよく売れるようにはなるかと思います!
ただし!
最初は詐称したPRで売れたとしても、その嘘は必ずバレます!
消費者は当然他のスーパーや産直、他の生産者の野菜と比べて食べています。
なので、遅かれ早かれ「誇張表現と野菜の価値」の剥離に気づきます。
「他の野菜と大差ないし、大げさな表現だわ!」
という感じで、実力不足の野菜だと気づかれれば、消費者の心が離れていくのもあっという間!
薄っぺらい信用は、音を立てて崩れ去ります。
誇張して騙していた分、信頼を取り戻すことは容易ではありません。
着実に真っ当にPRする方法:「安定出荷」し続ける!
「じゃあどうするの!?農業ってお先真っ暗じゃん!」
という意見が聞こえてきそうですが、そんな状況でもレストランやスーパーから引く手あまたの農家さんはいます。
直売所やECでは「あの人の野菜なら…」と名前で売り切れてしまう強者農家さんもいます。
そんな篤農家さんたちはどんなPRをしているのか。
- 特別な栽培方法をしている?
- 物珍しい野菜?
- マーケティングが上手?
それもあるかもしれませんが、本質はそうではありません。
売り切れる農家さんは、安定出荷し続けることでPRしています!
詳しくはこちらの記事で。
安定出荷こそが農業の基本です!
毎回必ず定量を出荷し続けることで、消費者に認知してもらえます。
その認知の回数をコツコツ積み重ねていくことでしか、信頼は生まれません。
徐々に信頼してもらえるようになれば、「名前買い」をして応援くれるファンやスーパー、レストランも増える可能性があります。
いくら「瞬間最大風速」がすごくても、栽培技術が安定してなかったり、決められた収量が出せない農家さんは評価されにくいんです。
まとめ:誇張や詐称はやめよう!真っ当に安定出荷しよう!
いかがでしたか?
今回は
「農産物を簡単に売切れさせるPR方法!?」
について書きました。
とにもかくにも、安定出荷が農業経営の土台で、何より大事です!
コツコツと継続して出荷し続けることで認知、信頼されます。
たまに本やSNSなどで
「○○万利益を出す栽培!」
とか、
「✖✖の野菜はこれから儲かる!」
という情報を見ると、そちらに気持ちが流されそうになることが僕もありますが、(笑)
むしろ安易に流されて、コロコロ作物を変える方が長い目で見れば儲かりません。
詳しくはこちらの記事で。
自分の信じた作物、栽培を貫いてみましょう。
僕もナスで一番になるために。
明日からも頑張りナス🍆
最後まで読んでいただきありがとうございました。