昨今の厳しい農業情勢の中、農業だけしっかりやれば生きていけるという時代ではなくなってきています。
ということで今回は、
「農家が副業するメリットデメリット」
というテーマで、農家の僕ナス男が紹介します。
これから就農する方や、農業に興味のある方はぜひ読んでください。
農家が副業なんてけしからん?
農家が副業の話をすると、
「農家が副業なんてやるな!」
「他の仕事をやる暇があるなら、畑に出て汗水流せ!」
という意見が出ることがあります。
そういう僕も、初めは副業なんてけしからん!と思っていました。
ただ農業労働力に関する統計を見て、意見は変わりました。
令和3年の基幹農業従事者(農業収入を主として生活している方)の中で、65歳以上の人数は90,5万人、そして平均年齢が67,9歳ということを考慮すると……
農業をしている大半が、年金をもらいながら農業をしているというのが現実です。
農業労働力に関する統計:農林水産省 (maff.go.jp)
「近頃の若い農家は、違う仕事にも精を出してやがってけしからん!」
という年配の農家は、年金をもらいながら農業をしていますし、
先進農家の方だって、講演したり本を出版したりして農産物の販売以外で収入を得ています。
だから農家として今の時代を生き残るためには、副業や他の仕事との兼業を考えても全く悪いことではないはずです。
(その人ができるかどうかは全く別として。)
それに昔から農家は「百姓」と呼ばれ、百の仕事ができる人という意味で使われていました。
僕たちが普段何気なくしている、
- 栽培などの農作業
- 農具の簡単な修理
- 経理や事務作業
は、僕たちが思っている以上に価値があるはずです。
僕もナス農家をメインとしながらも、WEBライターとして活動しながら農業外収入を得ています。
今回はその経験の中で感じた、農家が副業をするメリットデメリットを紹介します。
メリット①リスク分散になる
農家が副業するメリットの一つ目は、何といってもリスク分散になることです。
- 天候の不安定さや災害リスク
- 野菜価格の低迷
- 経費の値上がり
など、農業は外的要因に影響を受けまくるので、収入を安定させるのは難しいです。
そんな中で、もしもう一つ収入の柱があるのであれば、精神的にも金銭的にもだいぶ楽になります。
栽培戦略も変わってきますし、ゆとりが生まれるでしょう。
また、パートナーと2人で農業をするのではなく、
どちらかが農業をして、もう一人が全く別の仕事で生計を立てている家庭も増えているように感じます。
別々の仕事をするメリットは色々あるかと思いますが、主な理由は収入のリスク分散でしょう。
もちろん、パートナーと協力して2人で農業をする方も多いですし、メリットはたくさんあります。
ただ、必ず夫婦2人で農業をしなければならない、という時代ではなくなってきているのかもしれません。
②副業での経験が農業にも活きてくる
メリットの2つ目は、副業での経験は農業にも活きてくることです。
たとえ副業が失敗したとしても、経験や知識はムダにはなりません。
僕の場合、WEBライターで得たことは本当に多いです。
- 農業の感覚を言葉にすることで、理解が深まった
- マニュアル作成や、パートの方への作業を教え方を改善できた
- 他産業と農業の収入を、比較できる基準ができた
- 自分の名前や努力で仕事をもらう難しさが分かった
- 記事のために勉強した農業の知識が、ナス栽培に役に立った
など、農業だけしていたら得られなかったことがたくさんありました。
デメリット①農業との両立が難しい
デメリットとしては、やはり当たり前ですが、農業との両立が難しいことですね。
片方が忙しくて、もう片方が疎かになり、結果的に収入が落ちてしまう……
本末転倒になってしまうことは、可能性としては十分にあり得えます。
僕も今はライター記事1本書くのに5時間以上かかってますので、その時間を農作業に充てたらどうなるだろう、とは思います。
(農閑期や夜に書いているので、農作業時間を削っているわけではないですが)
特に就農して間もない方は、栽培に注力すべきだと僕は考えています。
まずは農業経営の土台固めをしないと、どっちつかずになりそうですからね。
(前職の仕事など、即戦力で稼げるスキルがある場合は別ですが。)
まとめ:生き残ったもん勝ち
今回は、
「農家が副業するメリットデメリット」
というテーマで書きました。
いろいろな意見があるでしょうが…
ベテラン農家もバンバン離農している今、農業で生き残っているだけでも素晴らしいと僕は思います。
リモートワークなども広がっており、自由な働き方が選択できる時代です。
専業でも兼業でも、半農半Xでもなんでもいいからとにかく生き残ったもん勝ち!
僕も生き残れるように、WEBライターもナス栽培も頑張ります!
まあ、本当にヤバくなったら即離農しますけどね!(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました。