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数値化、ICTで農業は変えられる!?

農業について
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農業はICTで可能性が拡がる!

ICTを導入すれば、農業は儲かる!

こんな感じで、テレビやメディアで取り上げられることも多い「ICTと農業」。

ということで、今回は

「ICTで農業が変わる!?ICT農業のメリットと注意点」

という話を農業で生計を立てている私ナス男が解説します。

農業に興味のある方、新規就農者の方、ICTの現場レベルでの活用を知りたい方はぜひ最後まで読んでいただきたいと思います。

ICTとは?

何かと話題のICT。最近よく耳にしますよね。

そもそもICTとは、

ITとほぼ同義語で情報通信技術のことを指します。

農業だけでなく、教育や観光にも応用が期待されています。

パソコンでチャートを見る女性のイラスト

ICT農業は、特に施設栽培で盛んです。

  • 温度が上がれば自動で天窓が開いて温度調節をして、
  • 湿度が下がればミストで湿度を足して、
  • 水分量、肥料濃度も設定どおりに与えられる!
人工知能に仕事を任せる人のイラスト

管理に関して言えば、人間がいなくてもパソコン1台で全て自動で管理できます

人間は、機械にはまだできない細かい手作業(収穫や手入れなど)をするだけです。

このように、農業にICTを導入することにはメリットが多いですが、

しかし、導入に関して注意点もあります。

メリット①栽培データを数値化することで、初心者でも先進農家になれる。

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例えば温度管理。

農業の基本中の基本です。

今では機械一つで記録を取り続けて、スマホで温度変化を見ることができます!

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温度だけではありません。

  • 水分量、
  • 肥料濃度、
  • 温度湿度など…

だいたいのことは数値化できていますので、新規就農者の方でも先進農家さんと同じような栽培管理ができるようになります。

ある程度のマニュアルがある作物であれば、新規就農していきなり先進農家さん並みの収量を上げることも不可能ではありません。

メリット②研修期間が短くなる

農業にICTが普及していくことで、農業の研修期間の短縮ができるのではないかと個人的には考えています。

ひと昔の農家の研修といえば、10年とかは当たり前でした。

理由は毎年気候条件が違うから。

毎年変わる気象条件で安定して栽培するためには、何年も研修して「勘ピューター」の精度を高めるべきと思われていたからです。

だけどその常識は、ICTによって崩れつつあります。

「勘ピューター」よりコンピューターの数値やデータの方が的確な管理ができるようになるので、長い年月の研修は必要がなくなります。

むしろ「勘ピューター」に頼っている農家さんより、データを数値化して栽培管理している新規就農者の方の方が売上が多いということはよくある話です。

研修に関しての詳しい記事はこちら。

ICT農業の注意点:作物の状態を見ながら管理する

「じゃあ何も研修してなくても、いきなりトップレベルになれるの?農業ちょろい!」

と思われるかもしれませんが、そんなに甘くないんです。

勘ピューターを捨ててデータを取ることは現代農業では必須です。

しかし、データはあくまでも指標であって、どの農家でも利益が出せる黄金の方程式ではありません。

データ分析のイラスト

作物の状態はハウスによっても各農家によっても違いますので、データ通りに管理するのが必ず正しい…わけではないです。

データと作物の状況、管理する方向が違ったら?

当然作物を優先です。

例えば温度。

「最低気温は〇度が理想だけど、イマイチ樹勢が弱い。」

という状況なら、

「樹勢をを強くするためにはもう少し温度は低い方がいいな。」

としなければいけません!

「データ通りにこのくらいの温度でいっか!」

という考えでは、データに囚われて失敗します!

「データだけを見て、全く逆の管理をして樹勢が弱くなってしまった…売上ダウン…

なんてことは、よくある話です。

データを参考にして、最終的には自分で作物の状態を見て判断するのが理想です。

コスパも考える必要がある。

データを正確に取ることは、これからの農業では必須ですが、当然ですが設備投資が必要です。

一つ一つのデータを取るには当然設備投資が必要です。

自動制御装置で500万もするものもあります。

お金をかければ正確なデータを取ることができて、さらに生産者のレベルも高ければ売上はアップするでしょう。

ただし!

売上アップしたとしても、設備投資に見合わないという可能性もあります。

果たして設備投資分を回収するほどのコストパフォーマンスがあるのかどうかは、個々の農家で検討しなければなりません。

使いこなせないようなマニアックなデータまで取る設備の場合、オーバースペック(過剰搭載)になる可能性もある。

導入コストが見合わないハウスや作物もある。

施設栽培のトマトなどは、研究が進んでいるのでいろいろなデータを見て細かい管理ができた方が売上は上がるでしょう。

しかし、トマトほどの細かい管理がいらない作物もあります。

例えば、僕が作っている施設ナスがそうです。

施設ナスの場合、まだまだ分かっていないことも多く、トマトのデータ活用がそのまま当てはまるわけではないですから。

とにかく農業は設備投資費が経営を圧迫することが多いです!

高額な設備投資をする時の経営判断は慎重に!

詳しくはこちらの記事で。

ちなみに…実はもうすでに、コンピュータでほとんど制御できる「ハイスペックハウス」はあります。