「脱サラして農家になりたいけど…最初から農業をしている方が有利じゃない?」
「最初から農家の人とは、天と地ほどの差があって埋まらないんじゃないの?」
新規で農業を始めようとしている方は、このような疑問や不安を持ったことがあるのではないでしょうか?
僕自身、サラリーマンをしたあと、農家になってますが、この点は不安がありました。
結論から言いますと…
サラリーマンの経験は必ず農業に活きる!
僕自身サラリーマンをしてから就農しましたが、やはりその時の経験が活きていると感じることがあります。
新規就農の方、農業に興味のある方。
ぜひ読んでください!
社会人の経験が活きると感じるメリットは大きく3つです。
早速紹介します!
メリット①前職でのスキルが農業に生きる!
サラリーマン時代のスキルは、農業にも必ず活きてきます!
具体的な例を挙げてみましょう。
例えば、機械メーカーに勤めていた方は農業機械の扱いやメンテナンスに長けています。
農業機械はとても高額です!
高級車より高くて、何百万とする農業機械はザラにあります!
農業機械は、壊れた時の修理代もバカになりませんし、すぐに修理に来てくれるかも分かりません。
しかし!
機械に詳しくて、メカニックが好きならば、自分で直すこともできます。
強者になれば、機械をいじって自分の圃場に合った仕様に改造して使っている農家さんもいます!
別の例を挙げるなら、IT関係の仕事をされていた方なら、HPやライティング、プログラミングに長けているでしょう。
今やパソコンは農家にとっても必要不可欠!
ウェブ関連の知識はこれからは農業でも重要性が高まってきますので、身についているのであればそれはオリジナルの武器になりえます!
- 自分の商品をウェブでPRしたり、
- HPを開設したり、
- プログラミングが詳しい方ならば環境制御の装置を自作できてしまうかも!?
いずれも農業では得られないスキルですよね!
農業では、これらのスキルは普段の仕事をしている中で手に入れるなんてことはありませんから。
こんな感じで、前職がどんな仕事だったとしても、スキルや経験は必ず農業に活きてきます!
メリット②仕事の進め方やビジネス感覚が身につく!
農業はどんな作物でも単純作業がほとんどですが、単純作業をするにしてもとにかく頭を使いながら仕事をしないといけません。
- 効率的に仕事するための段取りはできているか
- もっといい方法があるんじゃないか
- どのような言葉で指導するか、
など、常に考えながら仕事を進めることが重要です。
当然農業だけをしていても仕事の進め方は身につきますが、全く違う業種の仕事でも、考え方や進め方は自然と身についていくんです。
また、現代の農業は問題が山積しています!
農業者の高齢化、後継者問題、異常気象、少子高齢化、資材費高騰などなど。
毎年安定して利益を出し続けることがだんだんと難しくなっています。
利益を出し続けることが厳しくなっていく条件下では、栽培技術だけではなく戦略や工夫が絶対に必要です。
何も考えずにただ野菜を作れば売れて生活できる!という時代もありましたが、
令和の時代には、ただ野菜を作るだけでは成り立ちません。
- 何を作るか、
- どうやって作るか、
- どこに売るか
この栽培戦略と方向性が揃ってないと、農業経営はうまくいきません。
まさにビジネス感覚と同じですよね?
あとは、実家が農業をしている方でも、農業をしている親には
「社会に出て仕事を経験してから農家に入れ!」
と、言われるケースもあると思います。
親の気持ちを推し量ると、
「これからの農業はビジネス感覚がないと生きていけない。だから、まずは社会に出てビジネスの厳しさを経験してから農家に入れ!」
と、こういうことが言いたいのだと思います。
メリット③人を動かす、組織を動かす経験が生きてくる!
個人的にはこれが一番のメリットだと思います。
農業でも、他の仕事と同じように、人や組織を動かすことが求められます。
「オレは自分一人で農業をやっていくんだ!」
という方もいるかもしれません。
その考えも素晴らしいですし、尊重されるべきです。
ただし!
独りで農業をしていると、かならず早い段階で「売上の頭打ち」になります。
「売上の頭打ち」の原因。
それは人手の足りなさです!
売上を上げようとするなら、まずは収穫量を増やすという方法が一番に考えられます。
ということは畑やハウスの面積が増えますので、それに伴って収穫作業や管理作業も増えます。
あとは、事務仕事も当然増えるのでバカにならなくなります。
なかなか独りで全ての作業をこなしながら、売上を上げるのは相当難しいです。
というか、不可能に近いです。
「売上の頭打ち」を破るためには、やはり。
人を雇う、組織を作るしかありません。
人を、組織をうまく動かすことができれば、「売上の頭打ち」は簡単にぶち破れます!
でも、やっぱりこれが一番難しいんですよね…
マニュアル作成が必要ですし、マニュアルを作れたとしても、自分の考えや動き方を浸透させるには時間が必要です!
ビジネス書などに書いてある通りやろうとしても、いきなり思い通りにはいきませんしね…
雇用費も当然かかりますので、うまく動かせなければ逆に経営を圧迫することもあり得ます!
同じ地域の、ある先進農家さんが言ってました。
「結局、農業って人なんよ!野菜より人を育てる方が何倍も難しいんよ!」
と。
激しく同意します!
作物なら、ある程度の経験を積めば、作物の表情が分かってきます。
でも人間は一人一人違うので、作物より格段に扱いが難しいです!
人や組織を動かす経験は、大きな組織でないと得られません。
そう考えれば、農家より大きな組織に所属していて、多くの人と関わっていたサラリーマンの方が強いかなと思います。
農業と仕事内容は違えど、人や組織を動かす経験はやはり農業に活きてきます!
まとめ
いかがでしたか?
今回は
「社会人、サラリーマンの経験は農業に生きる!?」
をテーマに書きました。
最後に断っておきたいのが、
僕は農家しかやっていない人を馬鹿にしているわけではありません。
すぐに農家に入って長く農業をされている方は、その作物に対する深い知識や経験があります。
知識や経験は一朝一夕で身につくものではないので、新規就農の方とはやはり差があります。
じゃあ差を埋めるにはどうするかというと、
実際に農業をしながら徐々に覚えていくしかできないです!
考えても無駄!
ですので、人一倍畑に出て仕事をすれば追いつけると信じて頑張りましょう(笑)
まあ、毎年完璧に栽培できる農家さんなんて、一人もいませんから!
ちなみに、僕は前職は教育関係の会社で働いていました。
(あまりにもブラック過ぎて、一年で辞めてしまいましたが…)
でも、遠回りだったとは思ってませんし、その時の経験が生きていると感じます。
簡単な資料作成や雑務はもちろん、
- 人に分かりやすく伝える工夫
- 組織で成果を上げる過程
- 仕事に対する考え方
- お金をもらうことへの責任
前職でこれらを経験できたことは、今のナス栽培でも活きていると思ってます!
(完璧にできているとは言っていない…)
と、とにかく!
これからの農業は、「総合力」で勝負する時代です!
栽培技術はもちろん、いろいろな知識や技術を総動員して利益を上げられるように!
僕も勉強頑張りナス🍆!
最後まで読んでいただきありがとうございました。