サラリーマンを辞めて実家の農家を手伝い始めてから、あっという間に10年が経ちました。
辛いことの方が多かったですが、今もなんとか生き残って農業を続けています。
今回は農業をしたこの10年を振り返って、年収ややりがいなどはサラリーマン時代と比べてどうだったのかを、改めて振り返ってまとめます。
ということで今回は、
「農家になって良かった?年収ややりがいなどをサラリーマン時代と比較してみた」
というテーマで、農家の私ナス男が今の気持ちを赤裸々に語ります!
農業に興味のある方はぜひ読んでください!
ナス男の経歴
最初に簡単に私の経歴を紹介しておきます。
24歳…ブラック企業を辞めて、しばらくニートになる
25歳…実家の露地野菜農家を手伝い始める
30歳…ビニールハウスを建てて、施設ナス栽培を始める
33歳…露地キャベツ栽培を辞めて、施設ナス栽培1本にする
35歳…2棟目のビニールハウスを建てて、施設ナス栽培を拡大
売上目標は、
30歳…1000万円
35歳…2000万円←今ココ
40歳…4000万円
を目指しています。
今年は、(利益は置いといて)、何とか売上目標は達成できるか?といったところです。
詳しいプロフィールはこちら。
サラリーマンを一年しかしておらず、逃げるように辞めて実家の農業を手伝い始めたので、他の方の参考になるような比較にならないかもしれません。
しかし露地野菜から施設ナスに作物転換したり、借金してビニールハウスを建てたりなど、大小の試練をそれなりに乗り越えてきたつもりです。
一般的ではないけど、少なくても誰かの参考になればと思って書きます。
年収に満足しているか
まずは、年収についてです。
基本的にはまずは売上目標を達成することを目指しているので、年収は後からついてくるものだと考えていますが、
やはり農業で飯を食っていくには、年収は気にしなければいけないことです。

具体的な数字は出しませんが…(期待していた方には申し訳ない…)
新卒で入社したブラック企業の年収は、30歳で越えました。ちょうど、施設ナス栽培を始めた年です。
基本給も低かったしボーナスも出ない会社だったので、もっと早くに超えたかったというのが正直な感想です。
サラリーマン時代の年収を超えたことについては、ほっとしています。
しかし、今の年収に満足しているかと言われれば……
決してそんなことはなく、むしろもっと稼がなければと感じています!
地元の有名企業に勤めている友達と話していても、やっぱり物足りなさを感じます。
年収を友達と比べて劣等感を抱く卑しい人間なのは、自分でも分かっています。
しかし、
- 年収が安定しない自営業で
- その中でもさらに安定しない農業で
- 銀行から融資を受けてサラリーマンよりリスクを取って
農業をしている以上、地元のサラリーマンよりも稼ぎたいというモチベーションは健全だと、自分の中で正当化しています。
今のサラリーマンの平均年収は越えたい!そして、もっと効率よく肉体的にも楽がができるような経営にしたい!
サラリーマンの平均年収は、国税庁の民間給与実態統計調査(令和2年)によると、約433万円なので、それを毎年超えることを一つの目標としてこれからも頑張っていかないとと思っています。
やりがいについて
次は、やりがいについて振り返ります。
サラリーマン時代(接客業)は、「何よりお客様のため!」を社是として働いていました。
お客様の要望や会社の利益のために、自分の時間や人生を消費していくとネガティブな考えが止まらず、精神的にきつかったです。
サラリーマン時代も、やりがいはもちろんありました。
しかしやりがいだけをモチベーションにして続けられるほど、私の精神は強くはなく、精神科には適応障害と診断されました。

そんなサラリーマン時代に比べれば、農業の全てを自分で決めて自分で責任を取る農業は幾分か私にとっては楽に感じます。
産直にも野菜を出す消費者と近い農園を目指していましたが、方針転換し、私はJA出荷しかしていません。
しかし今のところは、私には直売しないこのスタイルが合っていると感じています。
僕が個人への野菜販売をしない理由3つ | 農業生き残りブログ (otikoborenouka.com)
直売所で野菜を売るデメリット~僕が直売所を辞めた理由~ | 農業生き残りブログ (otikoborenouka.com)
ちなみに農作業が楽しいかと言われれば……
私はぶっちゃけ楽しくないと答えています!
理由は、プレッシャーやお金が発生する仕事は、どんな仕事でも憂鬱なものだと思っているから。
仕事が楽しいかどうかは、他の農家と価値観が違うかもしれませんので、参考にしないでくださいね。
休みについて
続いては、休みについてです。
サラリーマン時代は、週休2日週40時間という名目で、自主的に休日出勤をしていましたので週休1日でした。
勤務時間も一日10時間は越えていたので、10時間×6日=週で60時間は働いていましたね。
「残業してる俺、すげえ!」という考えに染まっていました。
農業をしている今は、何時間働こうが自由で結果が全てなので、
特に週何時間働くとかは意識していません。
残業自慢しても、代わりに農作業してくれる人、いないからね……
今のナス栽培は、仕事の少ない7,8,9月を除いて、基本的には週7日で一日7時間。
用事があったり疲れた時には、半日休みを取るという働き方をしています。
丸々一日休みは農閑期を除けばありませんが、自分で決めてこの働き方をしているので、納得しています。
ちなみに、「農業は休みがない!」とネットでは言われていますが、これは正確ではありません。
休みが取れるかどうかは、その農家の経営次第です。
私もいずれは週1日は一日休みを取れるように。
そのためのパートさんの採用や教育が、今後の課題です。
農家は休めない?休むべきではない? | 農業生き残りブログ (otikoborenouka.com)
農業観や人生観の変化
農業をした10年で一番変わったことは、農業についての考え方(農業観)です。
10年前は、「農業で地元で有名になって、地域貢献したい!」
とか言ってましたし、このブログにも最初はそう書いていました。
しかし今は、農業で地域貢献したいという願望は跡形もなく消えました。
この先農業でいかに生き残るか、これしか考えていません!
「薄情な奴だ!地域のことはどうでもよくて、自分だけ良ければいいのか!」
と思われてもいいです!
というのは、生きて農業を続けているだけで、それが地域貢献になっていると考え方が変わったからです。
- 地元で生活して
- 地元のJAや種苗店で買い物をして
- 地元のパートさんを雇用して
- 利益を出してその分納税して
自分のためを第一に考えて、農業をしていく方が自分には合っています。
まとめ:農業をやって良かった?
今回は、
「農業をやって良かった?年収ややりがいなどをサラリーマン時代と比較してみた。」
という記事を書きました。
①年収については、満足していない
②やりがいについては、憂鬱だけどそういうモノだと思っている
③休みについては、どんどん改善していかないといけない
④農業観については、自分のために農業をすることを優先していく方がいい
サラリーマンと農家を比較した記事も書いています。
こちらも合わせてご覧ください!
最後に、「トータルで見て、農業をやって良かった?」
と今聞かれたら、めっちゃ悩みます(笑)。
やって良かったこともあるし、大変だったこともそれ以上にあって、
違う道に進んでいたらどうなっただろうと考えることも正直あります。
でも自分で選んだ過去なので、
5年後10年後の自分が「農業をやって良かった!!!」と胸を張って言えるように。
今の農業を頑張っていくしかないですね。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。