「テレビで見た農家のようなスローライフを送りたい!」
「社会の喧騒から離れて、農業で悠々自適な毎日を過ごしたい!」
そう理想を抱く方も多いかと思います。
田舎で、農業で、悠々自適、スローライフ…
パワーワードですが、はっきり言ってこれはテレビが作った幻想です!
実際ほとんどの農家さんは時間に追われて、慌ただしい日々を過ごしています。
今回は「農家=スローライフ、悠々自適」という勘違いを
実際に農業をしているナス男が正します!
農業=スローライフ!?
「農家の人と結婚したい!」
数年前の農家の街コン?に行ったとき、こう言っている女性の方がいました。
詳しく聞けば、
「テレビで見た農家は悠々自適な生活をしている!私も農家と結婚して、田舎でスローライフをしたい!」
ということみたいでした。
僕はこの女性に、現実は違うということを教えてあげました。
そういう間違ったイメージで農家の人を狙って結婚しても、理想と現実のギャップに苦しむのが目に見えていたので、親切にも本当の現実を教えてあげたんです!
まあ当然、僕はこの女性からは相手にもされませんでした。(笑)
農家の婚活の話はとりあえずおいといて、
実際にそんなに余裕のある生活ができる農家さんは、ほとんどいないのが現状です。
もしいるとするなら、
- すでに定年退職して、老後のために田舎に移住し年金が入ってきている夫婦
- 若手ながら本当に農業で大成功して、有り余る財産を持っている敏腕農家
このどちらかでしょう。
いずれにしても、婚活市場には上がってこないメンツです。
ほとんどの農家は時間に追われている!
スローライフとは真逆、ほとんどの農家は時間に追われて仕事しています!
- ○○時までに収穫して出荷、
- ○○日後の雨の前までにトラクターで耕運、
- 何日後までにこの苗を定植し切る
など、どの作業にも締め切りがあって、それに間に合わせるために必死です!
もし遅れたら、
など、売上に直結するので締め切りに遅れるわけには絶対にいきません!
だから農家は計画どおりに、いや前倒ししてでも作業をしていますが、
天候や災害でもスケジュールが狂うので、計画通りに進むことはほとんどありません。
長雨が続けば、防除やトラクターなどの作業が出来ず、どんどん後ろにずれていきます。
しわ寄せが後の日程にずれこむと、他の仕事と重なり同時並行でこなさないといけなくなります。
日の出から徹夜して体力の続く限り…みたいな日が何週間と続くことも…
このようにほとんどの農家さんは、スローライフとは無縁の、忙しい日々を送っています。
農業は競争もノルマもプレッシャーもなく、穏やかな日々!?
「農業って楽そうじゃん!」
「社会の喧騒から離れて、心豊かに生活したいんだ!」
これも幻想です。
農家には当然ノルマはあります!
赤字を毎年出してしまうなら、農家失格で家庭菜園になってしまいますので。
詳しくはこちらの記事で。
そして、農家は競争にも常にさらされています。
自分で販売している農家さんは、他の農家さんと比較されますし、
JAに出荷している農家さんでも、直接関与していないだけで他産地との価格競争は常にあります。
くわしくはこちらの記事で。
ハウスや畑に出て現場作業しているだけに見えてしまいますが、そんなことはない!
日々勉強、試行錯誤の毎日です。
僕もサラリーマンよりは精神的な苦労は少ないだろうと甘く見て就農しましたが、
実際にはサラリーマン時代よりプレッシャーのかかる日々ばっかりで少し後悔しています。(笑)
ただし、野菜つくり自体はものすごく「癒やし」になります!
ぜひ日々戦っているサラリーマンの方にこそ、家庭菜園をおススメします!
まとめ
いかがでしたか?
今回は「農業=スローライフ」は幻想だということをお伝えしました。
農業になじみのない方は、テレビの中の農家のイメージをそのまま信じ込んでしまっています。
やらせが問題になり始めた最近では、内容を疑ってみる人も多いですが、
テレビはいいことだけを切り取って、編集してキャッチーな内容にしています。
テレビとはそういうものだと、疑ってかかることが重要です。
「農家と結婚したい!」
って思ってる方!
まずは幻想を捨てて、実際に自分の目で確かめてみましょう!
- 実際に農家さんに話を聞く
- 自分で野菜を作ってみる
- 農家でバイトしてみる
これらをすることで、客観的で現実的な目で農業を知ることができます。
…こんなことばっか言ってるから、僕は結婚できないんだよなあ…
最後まで読んでいただきありがとうございました。