コロナ禍+暖冬による豊作で野菜の価格暴落しています。
今回は、
「価格暴落のピンチを乗り切ろう!農業経営を変える勇気を持とう!」
というテーマについて、現役農家の私ナス男が解説します。
新規就農の方や農業に興味のある方はぜひ読んでいただきたいです!
2020年の秋冬作の野菜の大暴落
2020年秋冬作の野菜のほとんどが価格暴落しています。
原因は、暖冬とコロナ禍です。
暖冬の影響により、収穫予定より早く野菜が生長してしまいました。
キャベツを例に挙げると、1月収穫予定で作付して栽培していたキャベツが年内に採れてしまう状態。
1か月も生長が前進、早く収穫できてしまうんです。
全ての産地が順調に生長しすぎてしまったため、野菜が溢れてしまっている状態です。
そして、今年の3月からのコロナ禍での外食需要の激減があり、供給過多にさらに拍車をかけています。
「たくさん野菜を食べよう!」と宣伝するにも、日本人の胃袋の容量はいきなりは増えませんし、野菜の生長は待ってくれません。
コロナ禍での外食需要減+暖冬で野菜豊作貧乏、改善の見通しは立っていません。
よもやよもやだ!
農家のSOS
行き場や販路を失った野菜たちは廃棄することを検討せざるを得ません。
全国各地で、農家さんがSOSが発信されています。
新規就農してまだ年数が経っていない方なら、経営計画や来年度の作付けも白紙に戻ったでしょうし不安だと思います!
「もう無理だ!潰れてしまう!」
と思ったら、躊躇なく助けを呼ぶべきです!
産直ECサイトや個人のブログ、HPから‘‘SOS‘‘を発信してください!
苦しいでしょうがなんとか今年を乗り切って、営農を続けてください!
新規就農の方たちは、これからの地域の農業を支える‘‘柱‘‘になる存在です。
ここで挫けずに、起きて戦ってほしいと思います。
「お前だけ助かってずるい!」という世論醸成は危険!
「お前だけ助かってずるいぞ!みんなが価格暴落で苦しんでいるんだ!」
という批判の声もネットでは散見されます。
たしかに皆が苦しいですし、僕だって苦しいです。
ですが、そういった同調圧力の世論醸成こそ危険だと思っています。
SOSの声も上げられず、黙って離農することが正しいわけがない!
それを言い出したら農業で差別化なんて何一つできませんし、農業の可能性は狭まっていきます。
また、産直ECサイトが特定の農家のSOSを取り上げることへの不満を言う人もいます。
これもずれていると感じます。
企業は政府機関ではないので、全ての農家さんを救うことは求められていません。
野菜を企業に出品してくれているお客さん(農家)が困っているから助けてあげているだけ。
そもそも企業活動は利益を追求するのが目的。
なので特定のお客さんを取り上げようが問題ではなく、真っ当だと思っています。
ただし、産直ECにも改善すべき点はあります。
- 証言が事実なのか
- 本当にコロナ禍や暖冬の影響かどうか
- ただの栽培管理ミスではないか
- 助けるべき農家なのか
など、ファクトチェックや審査などはもっと厳格にすべきです。
SOSの発信で注意すべきこと
SOSを発信する時に、注意してほしいことがあります。
SOSは何度を使える手ではないということです。
何度もSOSを発信している農家さんは、「私は農業経営ができません!」と公言しているようなものです!
例えるならば、閉店すると言って、閉店セールをずっとしている店のようなものです。
1回のSOSは切実に分かるんです!
僕もキャベツ栽培をしていた時は、何度か暴落を経験しています。
暖冬の影響で豊作貧乏になった時は、キャベツたちを収穫もせずにトラクターで潰しました。
-100万の赤字にもなったことがあります。
その年は胃が痛くて、夜寝つけませんでした。
SOSで嘘をつく農家
そして、ないと信じたいですが…
「弱者ビジネス」に味をしめて、嘘をついている農家がいるとしたら大大大問題です!
SOSを出せば、良くも悪くもいろいろな方向から注目が集まります。
応援しようと買ってくれたお客さんは、あなたの農業にお金を投資したと同じです。
なので投資先の行方をおのずと注目していくようになるでしょう。
地元の農業関係者だって、SOSを出した農家の成り行きを見ているでしょう。
その中で嘘があったりしたら…
非難されて当然でしょう!何らかの罰則も受けるべきかと思います。
そりゃあそうですよね?
自分だけが謝罪や賠償して終わるわけではありませんからね。
地元の農業関係者の立場からしたら産地の信頼も落ちるでしょうし、出品しているECサイトも詐欺の片棒を担いでしまったのですから、信頼を落とすでしょう。
「穴があったら入りたい!」となっても同情の余地は一ミリもありません。
これまでも、そしてこれからも価格暴落は起きる
コロナ禍は全ての業界の誰もが予測できなかったことなので、対策は立てられなくても仕方がなかったと思います。
しかし、暖冬による価格暴落はこれまでに何度もありました。
そしてこれからも何度もあるでしょう。
もしかしたら来年はもっとひどくなる可能性だってあります!
「今年が特別!仕方がない!」
と、天気のせいにして、思考停止していたら負けです!
勇気を持って、農業経営を変えることが求められています。
まとめ:農業経営を変える勇気を持とう!
いかがでしたか?
今回は、
「価格暴落のピンチを乗り切ろう!農業経営を変える勇気を持とう!」
というテーマで書きました。
もはや待ったなし。
来作から全集中で農業経営の改善や変化を求められています。
何が儲かるか?どこに売ればいいか?
コロナ禍を経験した今、それはもう誰にも分かりません。
最後には自分が決めた作物をとことん信じて極めていくしかないと思ってます。
‘‘勇気‘‘と一言で言ってしまっていますが、簡単ではないのは僕でも身に染みて分かります。
一時2haあったキャベツ栽培をやめたり、ナス栽培に切り替えた年は首をくくる覚悟が必要でした。
でも、強くなるしか生き残れません。
心を燃やして強くなるしかないんです。
偉そうに言ってきましたが、ナス栽培だって来年以降どうなるなんて分かりません。
俺は俺の責務を全うするだけです!
明日からも泥臭く、ナス栽培に取り組みナス🍆。
心に炎(ほむら)を灯して、遠い未来まで頑張りましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。