就農に関する成功談だけではなく、失敗談や後悔も知りたい!
一年目でつまづきやすいポイントは何?
という声は、潜在的にあるように感じます。
ということで今回は、
「就農1年目に後悔すること4つ~ナス栽培の失敗から考察~」
というテーマで、農家の僕ナス男が紹介します。
これから就農される方や、農業に興味のある方はぜひ読んでください!
ナス男の農業歴
僕の経歴を簡単に紹介すると、
- サラリーマンを辞めて、
- じいさんの露地野菜栽培の手伝いから始めて、
- ナス栽培を独立して始めて、
- 今はナス一本の農業経営しています。
なので、分類は親元就農ということになります。
ナス男とは? | 就農生き残りブログ (otikoborenouka.com)
あまりにも農業を舐めていた人間だったので、就農当初から色々と苦労しましたが、
ハウスを建ててナス栽培を始める一年目も、「こうしておけばよかった…」という後悔は多かったです。
他の農家も後悔しやすいポイントは共通していることが多く、それを知っておいて損はないはずです。
では、後悔したこと4つを紹介します。
①もっと深い栽培技術を身に着けておくべきだった
1つ目の後悔は、もっと深い栽培技術を身に着けておくべきだった、です。
ナス栽培を始める前に、2年ほど先輩農家の所で研修をさせてもらいましたが……
やはり自分で農業をするのとではまるで別物で失敗の連続でした。
一年の栽培の流れや基本的な作業は理解していましたが、
- 日々の観察のポイント
- 消毒や追肥のタイミング
- 樹勢に応じた温度管理
などなど、栽培の深いところまで理解できていなかったので、全く応用が利きませんでした。
個人個人で人生設計が違いますし、長く研修すればいいということでもないですが、研修の段階から栽培の肝までを全て吸収するつもりで真剣にやらないといけなかったと後悔しました。
栽培技術は、就農者が常に課題に挙げているポイントですので、ここをしっかり固めることで後悔が少なくなるでしょう。
②過剰な設備やムダな設計が多かった
2つ目の後悔は、建てたナスのハウスが過剰な設備やムダな設計が多かったことです。
施設栽培やナスのことが分かっていなかった僕は、(先輩農家がアドバイスをくれていたとはいえ、)業者に言われるがままの設備や設計に疑問を持てませんでした。
その結果がこれです!
要らないものを除いていれば30万ほどは安くできたと思いますし、
温度センサーの位置や人の導線を考えた配置も、もっと良くなったと思います。
なぜ必要なのか、どういう理由でその場所に設置するのか、
部品の一つまで見積もり見て質問しておけばよかったですね。
③スケジュールがずれて、定植が遅れた
3つ目は、ハウス建設のスケジュールがずれて、ナスの定植が約3週間も遅れてしまったことです。
僕が見落としていたのが、青年等就農資金が申込~審査が通るまで約2か月かかることです。
青年等就農資金に限らず、だいたいの融資は即月申請が通るわけではない、ということを恥ずかしながら知りませんでした!
この資金は事前着工は認められていないので、スケジュールにゆとりがないとどんどん遅れます!
ハウスの建設は天候の都合もあるので、なかなか思うように進まない時もありますしね。
3週間も遅れてしまうと、収穫時期が3週間少なくなるだけでなく、生育も大きく遅れます。
結果として収穫のピークはまるっと1回なくなり、ズレて遅れた分やはり収量が増えませんでした。
とにかく早めの準備を!早すぎて後悔することはない!と5年前の自分を鞭で叩きに行きたいです。
④もっとお金を貯めておけばよかった
4つ目は、もっとお金を貯めておけばよかった、です。
僕がナス栽培を始めた時は300万円ほど通帳に入っていましたが、やはりそれだと心許ないです。
1000万円必要だという就農本は多いのも納得ですし、お金はあればあるだけ困ることはないです!
例えばもし1年目の出費が200万かかるとして、仮に台風の被害や栽培に失敗して全滅してしまった時。
収穫はゼロなので、もちろん単純な収支は-200万円です!
その場合200万円+生活費のお金がないと、1年目でゲームオーバーになることも考えられます!
お金の余裕が心の余裕を生み、柔軟な農業経営につながります。
自分の通帳のお金がみるみるうちに減っていくのは精神的にいいわけないですし、
短期的な利益を出そうと焦って無理すれば、しわ寄せがくることもよくあります。
とはいえ新規就農者のデータを見ても、1000万円貯めて就農できる方はほとんどいません。
特に経費が上がり続けていて何が起こるか分からない時代では、
貯金+節制した生活が必要不可欠なのかもしれませんね。
まとめ:後悔の少ない農業を!
今回は、
「就農1年目に後悔すること4つ~ナス栽培の失敗から考察~」
というテーマでした。
テーマとは逆のまとめになりますが…
後悔を恐れてどうしてもやりたい農業が出来なくなるのも考え物です。
今の先進農家の方たちも、一年目から完璧に農業ができていたわけではないはず。
後悔するほどの致命傷を負わなければ、小さな失敗は歓迎すべきでしょう。
なんにせよ、動かなければ始まらないですしね!
僕も後悔が少なめの農業人生を送れるように頑張ります!
最後まで読んでいただきありがとうございました。