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僕が個人への野菜販売をしない理由3つ

農業について
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「JAに頼らず、農家は自分で販路を作るべきだ!」

「少量の取引からでも、自分の野菜を売り込んで販路を広げるべきだ!」

現在ではフリマアプリや産直ECサイトなども流行しているので、個人の農家でも比較的簡単に野菜の個人販売ができます。

ネットショップのイラスト

なのでこれから就農を目指す方は、農業の販路に対してこのような意見を持っている方もいると思います。

ですが僕を含め多くの農家は、個人への出荷や小口の取引はしておらず、JA出荷100%でやってます。

これには理由があるんです!

ということで今回は、

「僕が個人への野菜販売をしない理由3つ」

というテーマで、僕がJA以外の販路をあえて作らない理由を説明します!

これから就農する方や、農業に興味のある方に参考になれば嬉しいです!

個人への野菜販売をしない理由3つ

まず断っておきたいのは、個人への販売をしている農家さんやそのプラットフォーム企業を否定するわけではないということです。

個人への販売や小口取引は様々なメリットがあり、実際それで利益を出している農家さんもたくさんいます。

パソコンを使う農家の男性のイラスト

野菜の販路については地域性や農家の考え方があり、そのどれもが正しいと思いますし、農業で生計を立てている農家さんを僕は尊敬しています。

ちなみに僕も就農したての頃は、産直に出したり居酒屋などにも出荷していました。
個人への野菜販売に意欲的で、それこそ少量でも単発でも販売していました。

だけど自分には向いていないなと感じて、今はJA出荷100%に切り替えました。

僕が個人への野菜販売をしなくなった理由は、大きく3つあります。

一農家の意見として、参考にしてください。

理由①:小口取引に対応する時間と心の余裕がない

一つ目は、個人への野菜販売に対応する時間と心の余裕がないということです。

僕は収穫した野菜を余さずに大量に捌けるJA出荷メインに日々の農作業をしていて、なかなか個人への販売や小口取引に対応する時間と余裕がないのが現状です。

個人への販売も…となると、出荷調整や出荷時間も違いますし手間もかかってしまうのでやらない、という農家は多いです。

また、個人のお客様からのクレームに悩む農家も少なくありません。

こちらに非があるようなクレームは真摯に対応して反省すべきですが、中には理不尽で理解不能なクレームをつけてくる人もいます。

クレームでメンタルを消耗すると栽培管理にも影響が出そうなので、僕は個人への販売はしていません。

「ノークレーム・ノーリターン」のイラスト文字

僕はメンタルが弱いのを自覚しているので、自分の心の度量を超えたことには手を出さない方がいいと思っています。

理由②:栽培方法も変わるので面倒

理由の2つ目は、栽培方法も変わるので面倒だと感じることです。

農業になじみのない方はピンと来ないかもしれませんが、同じ作物でもそれぞれの販売先が求める野菜が違えば栽培方法も大きく違ってきます。

例えばキャベツを例に挙げると……

  1. 歩留まり重視の加工用キャベツ
  2. 通常のスーパーに並ぶきれいなキャベツ
  3. 個人販売で人気があるこだわりキャベツ

これらでは栽培方法は大きく異なります!

キャベツのイラスト(野菜)
  • 株間
  • 品種
  • 定植日
  • 追肥
  • 出荷調整

などなど…

業務用と通常の野菜は別の作物と考えた方がいい、と言う農家もいるほどです。

そんな別の野菜ほど違う栽培方法を、管理するのはけっこう面倒です…

不器用な僕には向いていないと判断し、撤退しました。

理由③:JA出荷に納得している

3つ目の理由は、JA出荷に納得していることです。

特に僕の地域では、JAにナスの選果場があることが大きな特徴で長所です。

収穫したナスを選果場にもっていくだけで、自分でやらないといけない出荷調整の時間はほぼありません。(B品は自分で箱詰めしますが)

その浮いた時間を栽培管理に充てられるので、ナス栽培初心者の僕でも利益が出るだけのナスの収量が採れています。

ちなみに僕は100%JA出荷して納得はしていますが、満足しているわけではありません。

どの販売先でもメリットデメリットが存在していて、完璧な販路はありませんからね。

JA出荷について、より詳しく書いた記事はこちらです。

まとめ

今回は、

「僕が個人販売や小口取引をしない理由3つ」

というテーマで記事を書きました。

記事の内容「理由3つ」

①小口取引に対応する時間と心の余裕がない

②栽培方法も変わるので面倒

③JA出荷に納得している

最後に。

僕がこれからも絶対JA出荷オンリーかというと…そんなことは言い切れません!

流通や世の中の流れも常に変わっていますし、産直ECサイトやフリマアプリも日々充実してきているので、個人への販売を始める可能性も大いにあります!

スマートフォンのアプリのイラスト

難しいことですが、常に変化に対応できる農業経営を目指したいですね。

これから就農される方には、売上目標ややりたい農業像や自分の人生観も考慮して、自分に合った販路を選択してほしいと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。