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なぜ農業の情勢が厳しい今、ビニールハウスを新しく建てるのか?

農業について
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  • 長引くコロナ禍による野菜価格の低迷
  • ウクライナ侵攻による世界情勢の悪化
  • 石油高騰による資材価格上昇

挙げだすとキリがないほど、今現在の情勢は農家には厳しいです。

農業を継続するのもやっとで、規模拡大や機械設備投資なんて考えられない!

ビニールハウスのイラスト

そんな中、僕はビニールハウスの新設を決断しました。

僕は多くの農家とは逆を行く難しい決断でしたが、これには僕なりの根拠がいくつかあります。

ということで今回は、

「なぜ情勢が厳しい今、ビニールハウスを新しく建てるのか?」

というテーマで、僕ナス男の考えを書いていきます。

これから就農する方や農業に興味のある方には、こういう考えの農家もいるのかと思っていただければ嬉しいです。

大きく4つありますので、早速紹介します。

①借りたハウスより、建てたハウスの方がいいと思ったから

「こんな資材が高い時に、なんでわざわざ建てるんだ?」

「借りられるハウスを借りた方がいいんじゃねえか?」

今はハウスは建てずに、借りられるハウスを探した方がいいという意見は、たくさんもらいました。

確かにそのとおりで、借りたハウスの方が借用代や修繕費を入れても格段に安く収まります。

それに対しての僕の考えはこうです!

  1. 近くにナス栽培に適した鉄骨ハウス(台風に強い)がない
  2. ハウスを借りたとしても修繕にお金がかかる
  3. 農地も余っていたので、お金はかかるけど自分のハウスを持つ方がいい

僕の地域は農業が盛んで台風の被害も大きい地域なので、いい農地も納得できるハウスもなかなか空かないという現状があるんですよね……

なので規模拡大の戦略としては、

まずは自分の農地にハウスを建てて面積を増やす

そして10年で借金を返し終わった時にいいハウスが空いてくれば借りていく

という順番の方が僕には合っていると感じました。

農地や産地の事情は地域によって異なるので、僕の意見が一般的ということではないのであしからず。

②農業資材の価格は今が最安値だと思ったから

2つ目は、農業資材の価格は今が最安値だと思ったからです。

ニュースやSNSなどでも話題になっていますが……

農業資材の価格は、下がるどころか現在進行形でどんどん上がり続けています。

ハウス業者の方と定期的に話をしていますが、ハウス資材の価格が下がることはないだろうという見通しです。

それならばハウス資材の価格は、今が最安値とも言えるのではないでしょうか。

(もちろん個人の見解ですので、責任は持てません!)

将来ハウスの価格が下がっても、それまでに建てたハウスで稼げていれば損した気分にならないはず!

安くなる時を狙って待っているだけでは、なかなか規模拡大して売上を増やすことはできません。

「タイミング」を逃してしまいそうな気がしたので、自分の勘を信じることにしたということです。

③適正な面積で栽培した方が効率的だから

3つ目は、適正面積で栽培した方が効率的だからです。

就農時の作物選びでは小さく試すことは大事ですが、これという作物を決めた時には適正面積まで増やしてある程度の機械設備投資をする必要があります。

最小面積と適正面積は異なっていて、最小面積で栽培していては設備や人を十分に生かすことができません。

ナス栽培を始めて5年経ちましたが、1年目より若干仕事に余裕ができ始めました。

これはパートさんの作業の熟練や僕のナス栽培のレベルが上がったことが要因で、今の1,7反のハウス1棟のみでは人を十分に活かせなくなっていると感じました。

僕は冬春ナスをパートさんを雇用して目標の売上を達成するためには、3反前後が適正な面積かなと考えています。

今回ハウスを建てれば合計3,3反くらいになり、より効率的な農業経営ができるのではと思っています。

④誰もこの先を予測できないし、やらずに後悔したくなかったから

最後は、誰もこの先を予測できないし、やらずに後悔したくなかったからです。

実はコロナ前から、ハウスを建てる計画はありました。

その時からすでにハウス資材の価格は値上がってきていて、ずっとハウスを建てるのを躊躇していました。

借金で悩む男性のイラスト(現金)

「安くなるかもしれないからもう一年待ってみよう、コロナ禍が明けたら補助金が出るかもしれないからその時に建てよう。」
そうやって決断が出来ずに先延ばしにしてきました。

しかしコロナ禍は未だに明けず以前の生活様式に戻っていませんし、ハウスの価格は下がるどころかさらに上がりました。

都合のいい補助金はあるはずもなく、時間だけが過ぎただけでした……

結局この先どうなるかなんて誰も予測できないし、いつハウスを建てるのがベストかなんて分からないと強く感じました。

人生本当に一度キリ。

気力体力のある若いうちの方が生命保険にも入りやすいし、やらずに後悔はしたくないと思いました。

これが、僕が今ハウスを建てようとしている一番の動機です。

まとめ

今回は、

「なぜ情勢が厳しい今、ビニールハウスを新しく建てるのか?」

について書きました。

記事の内容

①借りたハウスより、建てたハウスの方がいいと思ったから

②農業資材の価格は今が最安値だと思ったから

③適正な面積で栽培した方が効率的だから

④誰もこの先を予測できないし、やらずに後悔したくなかったから

最後に断っておきますが……

僕は決して、借金してでも今農業を始めるべきだと言っているわけではありません!

あくまでも僕がそう判断しているだけで、全ての方に勧めているわけではありません。
農業を取り巻く今の厳しい情勢に抗えず、このビニールハウスの新設が僕の農業経営の終わりの始まりになる可能性も大いにあります

今回のビニールハウスの投資は家が建つ価格の投資でした…
このレベルになると、契約書に印鑑を押してからしばらくは防衛反応から吐き気が止まりません(笑)

特に新規就農の方は初期コストを抑えた方がいいので、ハウスが借りられるなら借りた方がいいでしょう。

機械設備投資は農業経営の肝で、減価償却費に潰される可能性もあるので、検討を重ねて慎重になりすぎるくらいでないといけません。

しかしもう決断をして印鑑も押してしまった今、僕にできることはこの決断を成功にするために、一層の努力をしていくだけです。

繰り返しになりますが、こういう考えの農家もいるんだなと参考にしていただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。