「ほとんどの農家はJA出荷だけど…デメリットもあるんじゃないの?」
「就農してもJA出荷は考えてないけど、
農業に興味を持った方、就農を目指す方は必ずJAという言葉をくどいほど目にしているはずです。
多くの作物、多くの農家はJA出荷ですからね。
どんな作物のどんな栽培をしてどこの販路に売るにせよ!
農家を目指すなら、まずはJA出荷について知っておいて損はありません!
ということで今回は、
「就農前に覚えておきたい!農家が教えるJA出荷のデメリット4つ」
というテーマで農家の僕ナス男が解説します!
これから就農を目指す方、農業に興味がある方はぜひ読んでください!
デメリット①自分のブランド野菜ではなくなる、個性がなくなる
JA出荷のデメリットの一つ目は、自分のブランド野菜ではなくなることです。
JA出荷をすると、たとえ自分がこだわって育てた作物だとしても、その他の農家と同じ「JAの農産物」というくくりになります。
「○○農園の野菜」のような看板をつけて売りたい!
栽培のこだわりを消費者にアピールしてブランド化したい!
という感じで、
自分の作った野菜に個性やこだわりがなくなることに抵抗感を覚える方は、JA出荷には向いていないでしょう。
デメリット②野菜の価格を自分で決められない
デメリットの2つ目は、野菜の価格を自分で決められないことです。
JAに出荷するということは、価格決定や販売をJAに委託するということ。
野菜の価格は相場や契約によって決まるため、農家個人には価格決定権がありません。
という農家は、JA出荷をやめて独自に販路を作っています。
ちなみに、JAは契約出荷(価格や出荷量はあらかじめ契約で決まっている)をしている野菜もあります。
暴落するのが嫌だ、売上を安定させたいという方は、JAにも契約出荷できる作物もあるということは覚えておいてください。
デメリット③諸々の手数料が高い?
JA出荷のデメリットの3つ目は、諸々の手数料が高い?ことです。
JAはいろいろな名目で手数料が引かれるというのは、間違いではありません。
- 荷造運賃
- JAの段ボール代
- 出荷手数料などなど……
とにかくいろいろな名目で、手数料が引かれています。
しかし、この手数料を高いと感じる方もいますし、妥当と見る方もいます。
見出しに?を付けたのもこのためです。
手数料でかかる分の労働力や時間を全て自前で確保できるのであれば、JA出荷より安い販路はあるかもしれません。
JA出荷に頼らず、販売から運送まで全て自社農場でしている農家さんもいます。
ちなみに僕は、JAの手数料は妥当だと考えています。
JAに販売から運送までを委託する分、栽培に時間や労力を集中させることができるからです。
JA出荷は時間と労力をお金で買っているというイメージ。
手数料は確かに他の販路より高いこともあるかもしれないけど、その分たくさん収量を上げればいいと考えています。
僕の地域のJAでは、だいたいの野菜はトータル25%前後引かれます。
(手数料はそれぞれの地域のJAで違います。)
100万の売上があるとしたら、手数料を引かれて75万が振り込まれるということです。
そこから製造原価の経費を引いた残りが利益になります。
デメリット④部会内で自分の意見が反映されにくい
JA出荷のデメリットの4つ目は、部会内で自分の意見が反映されにくいことです。
JA出荷するということは、部会という組織で出荷するということ。
個人戦ではなくチーム戦として、出荷戦略を取るのがJA出荷です。
組織で出荷する以上は個人の独断は許されず、足並みを揃えないといけません。
「俺ならもっとこういう販路に売るのに…」
「もっと出荷規格を変えたいよ!」
と不満を言っても、一人の発言力では大きなJAの部会は何も動かせません。
ただし、JAの言われるがままで全く部会の戦略を変えられないということはないです。
部会執行部に入れば、出荷先や販売戦略について意見をすることはできるんですが……。
市場やスーパーの要望との兼ね合いもありますし、部会の人数が増えれば増えるほど自分の意見は反映されにくいです。
僕もJA出荷をしていますが、本当にいろいろな考えの方がいます。
販路拡大などの攻めの出荷戦略を希望している農家もいれば、現状を守ることが重要だと考えている農家もいます。
意見の合わない人も当然いるし、人によってはしがらみだと感じるかもしれません。
こういったJAの部会の雰囲気が肌に合わない方は、自分で出荷組合を立ち上げたりする農家さんもいます。
まとめ:就農前に覚えておきたい、JA出荷のデメリット
今回は、
「就農前に覚えておきたい!農家が教えるJA出荷のデメリット」
について紹介しました。
JA出荷はデメリットだけでなく、メリットも当然あります。
詳しくはこちらの記事で。
就農する前に、JA出荷のメリットデメリットを絶対に抑えておきましょう。
僕の意見としては、
どういう出荷先を選ぶにしろ、まずはJA出荷を選択肢として残しておくべきだと考えています。
JA出荷のメリットの記事でも書いたように、JA出荷はメリットが多いからです。
- 販路の一つとして利用するのも良し
- 100%JAだけに出荷するのも良し
- 情報交換のために、青年部だけ所属するのも良し
より良い栽培戦略や販路が見つかるように。
この記事が参考になれば嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。