外からのイメージでは牧歌的で人同士での競争がなさそうに見える?農業界でも、
「○○が儲かる!○○を使うと売上が増える!」
みたいな詐欺的な商品や営業はあります!
ということで今回は、
「インチキ農業資材や機械への注意とその対策」
というテーマで農家の私ナス男が、今までの後悔やヤバい経験を踏まえて紹介します。
詐欺商品に引っかからないための注意と対策
じゃあどのように農業のインチキ商品を回避すればいいのか。
私が10年かけて編み出した、対策と心構えを伝授します!
即断しない
まずは、即断しないこと!
営業トークやその場の雰囲気に流されて契約してしまうと、後悔することが多いです。
高額な契約や機械ならなおさら。
理解するまで聞きまくって調べまくり、ひとまず一晩寝かせて落ち着きましょう。
そうすれば、「なんだ、詐欺まがいの商品じゃないか!」とハッとする事案もあるかも?
飛び込み営業は相手しない
よく畑やハウスで働いていると、アポなしで営業が話しかけてくることがあります。
お年寄りの農家はそこで話を聞いてもらえるのかもしれませんが、私はアポなし営業は相手しません。
「見れば分かると思いますが、仕事してて忙しいのでパンフレットだけ置いてってください。」
とやんわり断ります。特にチャンスを逃したと思ったことはありません。
売れているなら営業などしなくてもいい、売れないから飛び込み営業しているという見方もできるわけで……
新しいもの、流行りものには手を出さない
- 新しい○○栽培
- 次に儲かりそうな作物
- 既存の電気契約や出荷先よりお得に見えるもの
- 農業の××投資で利回り〇%などなど…
魅力的で手を出したくなるのをぐっとこらえて、まずは様子を見ましょう。
なぜ今まで流行らなかったのか、そのデメリットなどが見えてくるはずです。
「先行者利益とかもあるだろ!自分が先駆者になるんだ!」
という意見も一理ありますし、早く導入したことで得られる利益も当然あります。
しかし、競合する商品とか栽培する農家が増えてこないと、割高だったりリスクを取りすぎだったりする場合もあると思っています。
自分が先駆者でなくても、使う人が増えて現場の農家の生の意見が聞けるようになってからでも遅くないのではないでしょうか。
本格的に導入する前にリスクを小さくして試す
導入する前にデモ機があれば自分で実際に試したり、サンプルとか少額であれば試験区を設けて試すのは賢い手です。
ダメならやめればいいだけですし、自分のリスクは最小限です。
経験と知識が得られるので、試すことが可能であるかを聞くのはした方がいいですね。
電気契約やよく分からない掃除業者に注意!
これは私のことではありませんが、
「ハウスの電気契約、乗り換えると安くなりますよ!」
みたいな営業があって、変えた農家はむしろ損をしたという事例があります。
クーリングオフも対応できず、注意喚起がされていました。
もう一つは、
「ブレーカーの掃除に来ました。お施主様でなくても、サインしてもらえればけっこうです。」
みたいな詐欺業者もJAが注意喚起がしていました。
実際は掃除なんて呼べるものではなく、埃を払った程度で、高額な請求をされたとのこと。
自分も何となく受け入れてしまうこともあるので、一層気をつけなくては!
バイオスティミュラント資材
「バイオスティミュラント」という言葉を聞いたことがありますか?
「農薬や肥料以外で、作物の生長に効くもの」という意味らしいです。
けっこう曖昧な定義なので、中には本当に効果があるのか怪しい商品もあります。
なぜこの農材が作物に効くのかを、業者や営業の方に問い合わせても、
- 良く分からない単語を使ったり、
- 論理が飛躍していたり、
- 統計を都合よく切り取っていたり、
中には占い?スピリチュアル?かと思うような商品も…
さらに、「無処理区と試験区を比較」してデータとしているものは疑ってかかる必要があります。
何にもしてない区と安くない資材を投入した区では、効果は出るに決まっているからです!
薬事法などで他社商品との比較ができないのは仕方がないことですが、
もっと具体的な数字を出して納得させてほしいですね。
農家として利益を求めるのであれば、コストパフォーマンスを優先して見るべきだという考えなので。
ここからは私の意見ですが……
バイオスティミュラント資材より、まずは栽培の土台となる部分を優先させることだと思います。
土づくりや肥料、腐食など、要するに農業の教科書に載っていることです。
その上での上積みができる農家でないと、あまり効果は感じられないというのが私の実感です。
もちろん、BS資材の中にもいい商品はあります。
ガッツリ導入する前に、お試しで試験区を設けて使う分なら買ってみてもいいかもしれません。
私が買って後悔したもの
最後に、私が10年農業をやってきて買わなきゃよかったと後悔したものを紹介します。
①農地
最初に挙げるのは、やはり農地を買ったことでしょうか。
露地栽培でスタートした私にとっては、売上を増やすためには栽培面積を増やすしかなく、当時は喉から手が出るほど欲しかった!
しかし、私の地域は農業がとても盛んで、農業できそうな耕作放棄地などほとんどない状況でした。
焦る気持ちが先行して、5反くらい買いましたが、今は施設栽培をしているので使ってない農地もあります……
やはり、農地は借りて増やすのが鉄則!就農して間もないお金がない時ならなおさらです!
今は他の露地栽培農家にその農地は貸してますが、いずれハウスを建てて農地を買った意味を見出せるように、目標を立てています。
果樹やハウスなどは、借りるよりも買ってから始める方がいいのかもしれません。
いきなり「返してくれ!」と言われても困りますからね。
自分の農業に合うように、農地は選択したいところです。
②肥料散布機
トラクターについている肥料散布機も、今は使っていないですし、私にとっては元が取れたとは言えない農機です。
露地栽培をしていた頃は多くて2haの農地があり、一年に数日はそれなりに稼働していましたが、
施設栽培に変えてからは使っていません。
ハウス内は柱が邪魔で、何度も切り返さないといけないので、土が寄ってしまうからです。
頑張って背負って撒こうと思えば撒けた栽培面積ですし(一度に2ha栽培するわけではないので)、元を取れたとは言えない農機になってしまいました。
せめて自走式の散布機を買っていれば、ハウス内でもバンバン使えたのに……
まあ、ハウスを建てるなんて想像もしてなかったことなので、仕方がないと言えば仕方がないことですかね。
③炭酸ガス施用機
これは具体名は出せませんが、最近は炭酸ガス施用機で失敗しました。
他の作物でも使えても、ナスでは同じような効果はないという機械、あるんですけっこう。
環境制御を理解していれば、他のナス農家の忠告を素直に聞いておけば、
買わずに回避できた機械を買ってしまいました。
全く意味のないものとは言いませんが、他の施用機が入っているハウスと比べても100万円の売上の差が出ている状況です。
もう二度とこんな失敗をしないように、一から勉強をやり直すことを誓いました。
まとめ
今回は、
「インチキ農業資材や機械への注意とその対策」
についての記事でした。
要するに、「自分の資産を守るのは自分しかいない!」
ということ。
勉強して理論武装して疑ってかからないと、カモにされます。
もしも詐欺まがいの営業や商品で出くわしたら。
論破王と言われるひろ〇きさんのように、舌鋒鋭く切り込んでやりましょう!
「それってあなたの感想ですよね?」と!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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