「農家は毎年、常に農業一年生。」
農家、農業を語られるときによく聞くフレーズです。
このフレーズは自営業、特に農家特有の現状をうまく表しています。
今回は
「農業は常に一年生!?」
というフレーズの意味を、実際に農業で生計を立てている私ナス男が紹介します!
気象、災害、価格変動…どうしようもない外的要因が多い
まず最初に浮かぶのは、どうにもならない外的要因が多すぎるということ。
- 長雨や猛暑続きなど天候不順、
- 台風などの災害、
- 豊作不作による価格変動など
一個人農家では、いや、人間にはどうにもならないことです。
めちゃくちゃ頑張ったのに、台風で全部パー…
価格暴落して、大赤字…
こんなサラリーマンでは起こりえないことが農業ではバンバン起きます。
毎年のようにこれらの外的要因が違うので、過去の経験に当てはめて対処できる…ということができません。
過去の経験を参考程度にして、その年その年自分で調整して工夫していくしかないんです。
そして農業のつらいところは、
毎年異常だと嘆いていても、農業は成り立たないし誰も助けてくれないというところ…
異常気象を想定して、なお利益を上げる農業経営を作り上げる必要があります。
詳しくはこちらの記事で。
- 自分の作物、栽培戦略は正しいか
- 今年の反省点、来季への改善点
- 最終的な売り上げ目標
これらを毎年のように振り返って常に改善していかないと、外的要因につぶされてしまいます。
固定概念がついてしまう
常に農家1年生という気構えでいないと、自分の作物や経営に対する固定概念や驕りがついてしまうことも考えられます。
「農業ってこういうもんだ!」
「ナス栽培の、収量の限界はここまでだ。」
と驕る気持ちを一瞬でも持つと危険です!
固定概念ができてしまうと、そこから先は思考停止してしまうからです。
思考停止してしまうと起こる、農業への悪影響は2つ。
1、ビビりながら仕事をしなくなる。
2、新しいものを取り入れようとしなくなる。
順に解説します。
1、ビビりながら仕事をしなくなる
固定概念ができて思考停止してしまうと、ビビりながら仕事することがなくなります。
「この時期は病害虫は出ない!」
などと決めつけ、日々の観察も怠り、病害虫の初期発見もできなくなります。
初期発見、初期防除は農業の鉄則!
少しの違和感やサインを見逃すと、もう手遅れになることもあります。
それだけで何十万、何百万の損害になるかも!?
絶対に驕った気持ちで農業をしてはいけません!
詳しくはこちらの記事で。
2、新しい技術などを取り入れようとしなくなる
固定概念が出来てしまうと、新しい技術を取り入れようとしなくなります。
- 肥料、
- 栽培方法、
- 新品種、
- 機械設備など
農業は常に着実に新しいものが入ってきて進化しているのに!もったいない!
感受性が薄れて、自分の栽培を進化させようとしなくなります。
新技術が自分の農業経営に合うかどうかは取捨選択していくしかないですが、
思考停止して検討もしなくなると、進化のスピードについていくことはできません!
以上の理由から、農業の固定概念は定期的に壊す必要があります。
皆さんも一緒に~!固定概念を~、ぶっ壊す!
常に謙虚に学ぶ姿勢の大切さ
この記事を書こうと思ったきっかけは、ナス農家の方がちょくちょく僕のハウスに見学に来てくれることです。
そのナス農家の方は70歳を過ぎていますが、少しでも良くしようと貪欲です!
何十年とナス栽培をしているので、他の農家の見学なんか来なくても知識や経験は十分にあるはずなのに。
たかが1,2年。ちょっと結果を出しただけの若造のハウスにも来て質問をしてくれます。
その方とは規模もハウスの設備も目標収量も違いますが、
少しでも新しいことを学んで取り入れようとしている姿勢は尊敬します。
こういう学ぶ姿勢を常に持って、年を取っていきたいと改めて感じました。
農業に年齢は関係ない!
まとめ:農家は常に一年生!
いかがでしたか?
今回は、
「農業は常に一年生」と言われる所以を紹介しました。
サラリーマンだと年数が経つにつれて、昇給して後輩も入ってくるので
常に一年生ということはないと思います。
ミスをして損害を出しても、給与は保証されていますし。
「年を取っていくにつれて、給与は上がるのがいい!年功序列がいい!」
「キャリアを重ねていくにつれて楽になりたい!」
という考えが少しでもある方。
個人の考えなので否定はしませんが、農業には向いてないです。
農家はみんな規模は違えど、経営者なんです!
少しでも経営を良くするために、新しいことを取り入れていくことは当たり前!
「去年はまあまあ収量が採れたから、今年も同じように作って去年と同じくらいでいいや」
という考えは危険!
農業は現状維持が目標だと、絶対に現状維持は出来ません!
水面に浮かぶ白鳥と一緒。
優雅に浮いているように見えて、水面下では激しく足を掻いています。
現状維持以上を求めるなら、足掻いて足掻いて、足掻き続けるしかないです!
僕もまだまだ吹けば飛ぶ弱小農家です。
一緒に足掻いて足掻いて、成り上がりましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。