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農家が「農業は儲からない」と言っている理由5つ

農業について
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「やめとけ、農業は儲からない」

「昔はよかったけど、今の農業は儲からない」

就農を目指す方は、先輩農家から何度もこのような言葉を聞くことになります。

「農業は儲からない」と言っている理由はいくつかに分けられます。

ということで今回は、

農家が「農業は儲からない」と言っている理由5つ」

というテーマで、農家の僕ナス男が紹介します。

これから就農する方や農業に興味がある方は、ぜひ読んで見てください。

早速5つ紹介します。

儲からないと言っている理由①:安定出荷が難しくなってきているから

一つ目は、安定出荷が難しくなってきているからです。

安定出荷が難しくなってきている主な要因は、天候不順でしょう。

毎年のように起きる台風や災害級の大雨や高温などで、栽培の難易度が上がってきているのを感じます。

自然災害の心配をする野菜農家のイラスト

「天気のせいにするな!それすら計算に入れて計画するべき!」

という記事も書きましたが、そんな僕でも農業をしていれば愚痴をつきたくなるようなどうしようもないことも正直たくさんあります。

農業の失敗を天気のせいにするな! | 就農成り上がりブログ (otikoborenouka.com)

対策としては、天候不順を考慮に入れた栽培計画を立てるのはもちろんのこと、

あとは収入保険に加入したり、農業に支障にならない程度の副業で収入の柱を作ることも僕はアリだと思います。

儲からないと言っている理由②:作物の安値が続いているから

2つ目の理由は、作物が安値で儲からないからです。

昔は作った分だけ野菜が売れて、儲かったという時代があったようです。

僕の地域でも、価格が高くて儲かった年に、「キャベツ御殿やトマト御殿が建った」なんていう景気のいい話があったそうです。羨ましい…

しかし、今の時代は違います。

しかし近年では供給過多で価格暴落することも多くあり、ただ単に野菜を作るだけでは利益が安定させるのは難しくなりました。

特に米は、物価のインフレ分を加味した販売価格は、1950年から現代まで急降下しています。

米価|年次統計 (nenji-toukei.com)

コロナ禍で外食需要が減り、米や野菜が余って安くなってしまったことは記憶に新しいですしね。

コロナウイルスのイラスト

価格低迷の対策としては、

  • 供給過多になりそうな作物を避ける
  • 他の農家と差別化できるような売り方をする
  • 時には自ら販路を開拓する

などがあります。

今はSNSやECサイトも発展してきていますので、個人農家でも販路を開拓することの難易度は下がっています。チャレンジする価値はあるでしょう。

儲からないと言っている理由③:製造原価が上がり続けているから

3つ目は、製造原価が上がり続けているからです。

  • 農薬、肥料
  • 機械設備、ハウスの鉄資材
  • 人件費

とにかく全てのコストが上がり続けて、経営を圧迫しています。

新規で設備投資をして栽培を始めて、利益が出せる作物もどんどん減ってきているのです。

農水省の米の生産費の推移を見ても、昔より数倍も肥料費や農機具費が上がっています!

農業経営統計調査より抜粋

農業経営統計調査より抜粋

製造原価の上昇を抑える自力でできる根本的な対策は、ほぼありません。

新規就農者の方でどうしても初期の投資額を抑えたい場合には、

  • 借りられる農機やハウスは借りる
  • 中古の軽トラや農機を検討する

など、経営努力がより一層大事になります。

儲からないと言っている理由④他産業に比べて儲かっていないから

4つ目は、他産業に比べて儲かっていないからです。

内閣府のサイトに産業別のGDPが詳しく載っていますが、他の産業に比べて農業の生産性の低さは明らかです。

参考資料3.生産(産業別GDP等) (cao.go.jp)

そしてやっぱり、他産業やサラリーマンの給料とどうしても比べてしまうんですよね…

他業種の友達と話していると、有給やボーナスの話が羨ましくなることもありましたし、
「こんな肉体労働をして、連休もないのに、これだけしか利益が出ないのか…」
とナーバスになっていた時期が僕にもあります。

対策としては、まずは他人の給料と比べないことでしょう。

自分が覚悟して入った農業の道だし、歩んできた道が違う他人と比べてもしょうがないことです。

目標を定めた人のイラスト(男性会社員)

……と偉そうに言っても僕は下世話な人間なので、特に就農当初はやっぱりお金のことは気にしてしまいがちでした。

そういう僕と似たタイプの方は、まずはサラリーマン時代の年収や同世代の平均年収を超えることを目標にするといいと思います。

這い上がるつもりで踏ん張って努力して、ナス栽培2年目の時にサラリーマン時代の給料より稼げるようになり、心に余裕ができました。

農業で結果(利益)を出すことが、一番健全で唯一の対策なのかもしれません。

儲からないと言っている理由⑤:本当は儲かっているけど儲からないと言っている

5つ目は、本当は儲かっているけど儲からないと言っているパターンです。

そもそも、「俺は儲かってるぞ!」と公言している農家はほとんどいません。

理由としては、

  1. ライバル農家を増やしたくないから
  2. 地域のやっかみを買いたくないから
  3. 自分の高い目標に比べて儲かっていないから

などが挙げられます。

しかし儲からないと言っている農家の中にも、ちゃんと利益が出せている農家は少数かもしれませんがいます。

そういう農家の話や農業経営こそ、参考にすべきです。

対策というかアドバイスですが、農業経営を軌道に乗せるまでの金銭感覚や節制した生活は、とても重要です。

詳しくはこちらの記事で。

僕も勘違いしかけた時があったので、注意してください!

まとめ

今回は、

「農家が’’農業は儲からない’’と言っている理由5つ」

について農家の僕ナス男が紹介しました。

農業は儲からないと言っている理由

①安定出荷が難しくなってきているから

②作物が安値が続いているから

③製造原価が上がり続けているから

④他産業に比べて儲かっていないから

⑤本当は儲かっているけど儲からないと言っているから

現実的に利益をしっかりと出している農家は一握りなので、農業は難易度高いゲームだと思いますが、決して無理ゲーというわけではないと思っています。

儲からない理由を把握して、地道に対策を打ち続ければ難易度は下がりますし、農業で生活をしていくこともできます。

いろいろな果物農家の人のイラスト

こんな記事を書いていますが、偉そうに言えるほど僕は儲かっていないので、今日もハウスに行ってナスの手入れをしてきます!

最後まで読んでいただきありがとうございました。