「借金をしてまで農業をするのは無理!返せなかったら怖い!」
という意見の方も多いかと思います。
しかし下の表のように、多くの新規就農者が充分な資金を持って就農できているわけではなく、足りない分を融資を受けて補っているのが現状です。
就農1年目の費用と自己資金 | |||
費用合計 | 自己資金 | 費用-自己資金 | |
集計対象全体 | 775 | 281 | -474 |
1,2年目 | 830 | 291 | -540 |
販売金額1位の作物別、費用と自己資金 | |||
費用合計 | 自己資金 | 費用-自己資金 | |
酪農 | 3903万 | 581万 | -3322万 |
その他畜産 | 1341万 | 270万 | -1044万 |
施設野菜 | 1136万 | 312万 | -815万 |
露地野菜 | 431万 | 238万 | -193万 |
果樹 | 419万 | 247万 | -171万 |
人それぞれの人生観農業観がありますが、借金=融資と農業を切り離して考えられる方はごく少数で、借金のプレッシャーとの正しい向き合い方は必要です。
ということで今回は、
「悪魔的重圧!?農業の借金のプレッシャーと向き合うコツ6選。」
というテーマで、農家の私ナス男が紹介します。
借金=悪?
「借金はしちゃだめだ!人生終わるぞ!」
多くの方が親や学校の先生から口酸っぱく言われてきたフレーズでしょうし、そう考えていた時期がオレにもありました。
たしかに数万円~数十万から始められる事業(YouTubeとか)もある中では、農業は初期投資がけっこうかかる部類でしょう。
新品のトラクターで三ケタ万円、新築の鉄骨ハウスなら4ケタ万円は必要です。
さらにそこから一年目の運営コスト(種苗費、農薬費、動力光熱費など)を支払えば、通帳からお金はあっという間に減っていきます。
最近ではコロナ禍やウクライナ情勢の悪化で、農業は不安定さを増している昨今。
私もナスのハウスを建てる時に5000万近く融資を受けているので、お金を借りて農業経営を始めることに不安に感じる気持ちも良く分かります。
しかし冒頭で紹介した記事の通り、融資とは無縁の「無借金農業経営」ができる農家ばかりではありません。
そして、私生活での借金と経営のための融資では性質がまるで違うことも知っておくべき前提です。
それに、正しく借金=融資を受ければ、農業を拡大することができるのです。
無借金農業経営を目指す方も、知っておいて損はないはず!
ということで、借金=融資のプレッシャーと向き合うコツ6選を早速紹介します!
①厳しい数字で計画を立てる
1つ目は、厳しい数字で営農計画を立てることです。
自分で農業を始める前に、まずは融資してくれる金融機関に対して営農書を立てますが、
この計画書を立てるときに、とにかく厳しめの数字で計画書を作るんです!
大きな失敗をしたとしても売上が立って、経費を引いてもなんとか利益は出るような。
特に就農1年目や作物転換した年の栽培は、もちろん研修などをしているでしょうか、想像以上にうまくいかないと思った方がいいです。
自分で経営して栽培も全部自分でやるとなると、勝手が違いますからね!
いわゆる最悪な状況を想定すること。
これが具体的な数字で出ている分、心の準備ができますし、そうならないように試行錯誤していけますよね。
5年先10年先も最初の営農計画通りになるわけではありませんが、営農計画を立てた経験は経営が変わった時も必ず役に立ちます。
まずは、厳しく営農計画を立てることから始めてください。
農業に転職!就農は経営計画で9割決まる! | 農業生き残りブログ (otikoborenouka.com)
②節制した生活を送る
2つ目は、節制した生活を送ることです。
利益が計画通りに出なかった年、つまり収入が少なかった年だとしても、生活費が少なければ乗り切れます。
通帳からお金が減り続けていくのを見るのは辛いですからね……
ちょっと相場が良かったから、予想以上に利益が出たからと言って、すぐに高級車を買うのは控えた方がいいでしょう。
全く贅沢するな!とは私も思いませんが、やはり農業経営を安定させるのが先決なはず。
周りからも一目置かれるような利益を出し続ける農家になってからでも遅くはありません。
このブログでは何度か紹介していますが、やはり金銭感覚がしっかりしていて必要以上に贅沢な暮らしをしない方の方が、農業経営の負担はすくないでしょう。
農業の成功はお金の使い方で決まる!?農業を軌道に乗せるために重要な金銭感覚の話。 | 農業生き残りブログ (otikoborenouka.com)
ちなみに、プライベートの多額の借金なんて、もってのほかです!
ギャンブルとか異性関係とかにハマると、それこそカ〇ジのように地下に連れていかれるかも!?
③過剰な機械設備投資がないか見直す
3つ目は、過剰な機械設備がないか見直すことです。
農機は一つ一つが何十万何百万とするので、その固定費(減価償却費)の見直しはとても有効です。
- 新品でなく中古の農機で代用できないか
- レンタルの方が安くならないか
- 仲間の農家と農機をシェアできないか
農機の貸し借りについては農家でも意見の分かれるところですが、考える価値はありますね。
農業機械設備の購入を考える。買うべき?借りてもいい? | 農業生き残りブログ (otikoborenouka.com)
④本を読む
4つ目は、本を読む、具体的にはビジネス書を読むことです。
悩みや怖さの克服方法が書いてあるビジネス書は、本当にたくさんあります。
本を読むことで、成功失敗事例を学べるのでぜひ読むべきです!
ほとんどの人生の悩みなんて、多くの先人がとっくに経験していることですからね。
一冊2000円くらいの出費は、必要経費です。
自営、農家だからこそ!本を読んだ方がいい理由3つ | 農業生き残りブログ (otikoborenouka.com)
ちなみに悩みや怖さの克服方法として、僕がおススメする本は、
「道は拓ける」D・カーネギー著、です!
超ど定番のビジネス書ですが、サラリーマンだけではなく農業でも役に立つ内容です。
詳しくはぜひ本を買って内容を実践してみてください!
⑤不安なことを紙に書き出して言語化する
5つ目は、不安なことを紙に書き出して言語化することです。
「なんかよく分からないけど不安で気持ちがもやもやする!失敗したらよく分からないけどとてつもなく損失が出る!」
という頭の状態を、紙に書き出すことで何に恐れているのか明確になります。
私が施設栽培のナスに作物転換した時に、何に恐れていたかと言えば……
4ケタ万円の借金額ではなく、恥ずかしながら世間の評価でした。
おとなしく露地野菜を作ってればよかったのに……
じいさんばあさんの農業を変えてまですることじゃなかった……
失敗した時に周りから噂されるであろう評価にビビっている、ということに紙に書き出したことで気づけました。
怖さを抱く根源に気づければ、その怖さに対してどう対処するのかの対策が立てやすくなります。
皆さんもぜひやってみてください!
⑥とにかく結果を出す!
私が一番効果的だと思うことは、やはり結果を出すことです。
- おいしい野菜ができても
- 友達から褒められても
- お客さんからありがとうと言われても
それだけじゃ食ってはいけないんですよね。
お金じゃない価値も農業にはあると思いますが、清算金額が通帳にお金が貯まっていくのを見ないと、私は本当の意味で安心できないです。
安定して農業で生活できるだけの利益を出し続ければ、借金額も順調に減り、おのずとプレッシャーとも正しく向き合えるようになると思います。
まとめ
今回は、
「悪魔的恐怖!?農業の借金のプレッシャーと向き合うコツ6選」
についての記事でした。
誰しも借金をして新しい一歩を踏み出す時は、不安になります。
そんな時にこの記事が少しでも参考になれば嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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